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【アメリカ】カリフォルニア州保険庁、保険会社672社対象に気候関連財務リスク・ストレステスト敢行

 米カリフォルニア州のデイブ・ジョーンズ保険長官は5月8日、保険会社に対し気候関連金融リスクのストレステストと、各社の化石燃料への投資状況調査を実施したと発表した。気候関連財務リスクに関し金融当局が具体的に調査を行ったのは今回が全米初。ジョーンズ長官は、保険会社が抱える気候関連財務リスクは看過できないと言及。当局としてアクションに踏み切った。

 元々ジョーンズ長官は、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の最終報告書発行とほぼ同時期の2017年6月、州内の保険会社に対し、化石燃料関連資産の保有状況の開示と自主的な投資引揚げを要請した。これに対し、米国の12州の司法長官と1州の州知事は不服とし、カリフォルニア州を相手取る訴訟も辞さないと表明している。今回、カリフォルニア州保険庁は、12州司法長官と1州知事からの訴訟脅迫には屈しないと明言し、今回の措置を断行した。

 同庁が実施した気候関連金融リスクのシナリオテストの対象は、年間保険料収入が1億米ドルを超える同州内の保険会社672社。シナリオテストでは、欧州金融当局や機関投資家の気候変動対応イニシアチブ2° Investing Initiative(2°ii)と協働した。2°iiはすでに、スイスで金融当局で協働し、同国の保険会社や年金基金の気候関連財務リスクをチェックした実績がある。同庁は、対象となった保険会社の合計で、化石燃料関連の電力及びエネルギー企業株式に5,000億米ドル(約55兆円)、石炭火力発電企業に105億米ドル(約1.2兆円)投資していると分析した。

 分析結果をまとめた報告書は、対象となった672社のみが閲覧できる。また上位100社に対しては要望に応じて同庁が報告書を送付する。報告書には、各社の投資計画と気候変動シナリオとの整合性や、気候リスクエクスポージャーを大きくする銘柄等が書かれている。整合性については、各社のランキングも掲載されている。

 カリフォルニア州は、全米で最大の保険市場。ジョーンズ長官は早くも2016年に「気候リスクカーボン・イニシアチブ」を発足。座礁資産に対する対応に乗り出した。同庁は、国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)の持続可能な保険イニシアチブ(PSI)に参画し、さらに国連環境計画(UNEP)と共同で国際的な政府保険監督当局フォーラム「持続可能な保険フォーラム(SIF)」も発足。同フォーラムには現在18ヶ国・地域が参加している。

【参照ページ】First-in-the-nation stress test conducted to determine climate-related risk to insurance industry investments
【実施内容】SCENARIO ANALYSIS: Assessing Climate Change Transition Risk in Insurer Portfolios

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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