アパレル業界サステナビリティNGOのGlobal Fashion Agenda(GFA)は5月9日、同業界の2018年度のサステナビリティ動向をまとめたレポート「Pulse
of The Fashion Industry 2018」を発行した。Global Fashion Agendaは2016年設立。本部はデンマーク・コペンハーゲン。活動には、スウェーデンH&M、仏ケリング、米ターゲット、デンマークBestseller、アパレル業界の国際サステナビリティ団体Sustainable Apparel Coalition(SAC)が戦略パートナーとして参画。香港のアパレル商社Li & Fung(利豊)も戦略アドバイザーとして参画している。
今回の報告書は、GFAとコンサルティング世界大手米ボストンコンサルティンググループ(BCG)との共同作成。分析のためのデータは、SACが実施しているHigg Indexを用いた。Higg Indexは、ブランド、生産工場、原材料等の幅広いアパレル企業を対象に、環境や社会に関するパフォーマンスデータを測定するもの。
2018年度の業界全体のスコアは、2017年の32から38に上がったが、満点の100には程遠い。但し、業界シェアの3%を占めるサステナビリティ・リーディング企業は平均で80をマークし、昨年より18もスコアを上げた。スコア増の要因は、サプライチェーンへの関与の拡大。昨年は加工、生産、輸送面で大きな改善が見られた。一方、下流サプライチェーンの製品利用や廃棄、また設計、R&Dでは改善の余地が大きいと分析した。
業界のカテゴリー別では、高級ブランド(ハイブランド)は、大企業、中小企業で差があまりなく51。スコアが高かったのは、スポーツブランドで、中価格帯の大企業が84、低価格帯の大企業でも67と全体を牽引しているのがわかる。一方、低かったのは、市場シェア10%の低価格帯零細企業が0点、市場シェア19%の低価格帯小企業が20、市場シェア7%の低価格帯中堅企業が29、市場シェア20%の中価格帯小企業の37。
昨年のレポートは、サステナビリティ対応をしないことによるリスクの側面を強調したが、今年のレポートでは対応することによるメリットも分析。サステナビリティ対応は、EBITマージンを1%から2%増加させることがわかった。
また報告書の中では、企業が取り組みべき内容を取組ステージ毎に整理し、参照を促した。
【参照ページ】Pulse
of The Fashion Industry
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