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【国際】ボストンコンサルティンググループ、企業のダイバーシティ推進の失敗原因と根本解決策を提示

 コンサルティング世界大手ボストンコンサルティンググループ(BCG)は1月17日、企業のダイバーシティ&インクルージョン推進の失敗の根本原因と対策を分析したレポートを発表した。BCGは、米国を始め多くの企業経営者が、人材競争に勝つため社内のダイバーシティ推進に乗り出しているが、十分な成果が出ていないと指摘。対策の方向性に誤りがあると分析した。

 今回の分析におけるダイバーシティは、男女だけでなく、エスニシティや性的指向(LGBTQ)も対象としている。調査は、米国、英国、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、デンマーク、ノルウェー、フィンランド、オーストラリア、ブラジル、インド、中国、日本の14ヶ国、合計16,500人から回答を得た。そのうち、女性が8,600人、LGBTQが1,650人、米国と英国、ブラジルでは非白人3,200人から回答を得た。

 今回の調査では、各プロフィール層に対し、女性やLGBTQ、エスニシティに関する障壁があると思うかと質問したところ、女性への障壁については、男女ともに約36%があると答え、差がほぼなかった。この背景についてBCGは、メディア等が女性差別に関する報道を強めているため、認識が進んでいるのではと分析した。一方、エスニシティやLGBTQについては、当事者の方が「障壁がある」と答えた人が著しく多く、非当事者の障壁認識が遅れていることがわかった。また、異性愛者の男性の中でも、歳を取るほどに、障壁認識が薄くなっていることもわかった。

 このためBCGは、企業経営陣の多くは、異性愛者の男性、さらに欧米では白人である状況で、企業経営陣が主観でダイバーシティ推進策を設定することを「大きな誤り」と分析した。実際に今回の調査では、31に関する施策について、何が改善に効果的かを質問したところ、当事者と非当事者では大きく認識が異なっていた。米国のフォーチュン500企業のCEOうち、女性は24人しかおらず、ゲイだと公表している人はたったの3人、レズビアンと公表している人は1人しかいない。ダイバーシティ&インクルージョン推進のための処方箋としては、当事者の意見を重視するという当たり前の行動に立ち戻るべきだとした。

 今回の調査結果では、女性、非白人、LGBTQのいずれにおいても、人事評価や昇進において「差別」があると認識していた。まずは、職場において差別があるという前提からスタートし、差別禁止ポリシーを徹底させることの重要性を説いた。また、各々について働きやすい環境とするための効果的な施策として、女性は柔軟な労働時間やテレワークを、非白人は採用時の差別防止を、LGBTQは、社外のLGBTQイベントへの参加や同性パートナーにも福利厚生制度を適用すること等があがった。

 その他にも、非当事者の経営陣が全く重要だと認識していなかったものの、当事者が強く望んでいる施策もあり、大きなギャップが発覚した。BCGは、これら当事者の声をベースに、施策を整備すべきだと結論づけた。

【参照ページ】Fixing the Flawed Approach to Diversity

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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