ワタミは1月10日、日替わり夕食宅配サービス「ワタミの宅食」で、バイオマスプラスチック容器を回収してリサイクルする取り組みを鳥取県、島根県、岡山県(備前市の一部エリアを除く)、広島県、山口県(一部エリアを除く)、香川県、徳島県、愛媛県、高知県に拡大すると発表した。回収した容器は、リサイクルして再生素材にし、弁当・惣菜の容器に活用する。
同社は、今回の取り組みを、2019年5月から愛知県で実施。同10月には、岐阜県、三重県、福井県、石川県、富山県に、同11月には関東、甲信越、東北にもエリアを拡大していた。
今回取り組みでは、宅配スタッフが食事後の容器を回収し、食品製造工場「ワタミ手づくり厨房」岩国センターに集約。ミツヤ工業で中間処理を行った後に、日本製鉄がケミカルリサイクルの一つ「コークス炉化学原料化法」でプラスチック原料を回収する。回収素材は、伊藤忠プラスチックスと福助工業で、同サービスの食品容器の原料に使い、容器を生産する。
ワタミは、2022年3月に今回の資源サイクルの全国展開を目指す。実現すると年間で約6,100万食、バイオプラスチック量にして1,830万tのリサイクルを目指す。
ケミカルリサイクルは、プラスチック分子を劣化させずにリサイクルが可能なため、サーキュラーエコノミーの本丸と位置づけられている。日本で確立した「コークス炉化学原料化法」は、ケミカルリサイクルの一つだが、資源回収できる量は40%に留まり、残りは20%がガス燃料、残りの40%は製鉄の酸素還元剤として活用される。そのため、100%資源回収されるわけではない。日本の化学業界は、コークス炉化学原料化法よりも、廃プラをエネルギー回収するサーマルリサイクルの方がライフサイクル全体でみた環境負荷は少ないと発表してもいる。但し、現段階で日本でケミカルリサイクルを行うには、実質的にこの手法しかない。
バイオプラスチックを使い捨てにすれば、原料となる植物を生産し続けなければならない。しかし今回のようにケミカルリサイクルすれば、生産する植物の量を抑制できる。
【参照ページ】「ワタミの宅食」容器のリサイクルループ拡大
【画像】ワタミ
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