【国際】ギリアド、新型コロナ治療薬レムデシビルを5社にライセンス無償提供。途上国127ヶ国向け 2020/05/15 最新ニュース

【国際】ギリアド、新型コロナ治療薬レムデシビルを5社にライセンス無償提供。途上国127ヶ国向け 1

 米製薬大手ギリアド・サイエンシズは5月12日、新型コロナウイルス感染症の治療薬レムデシビルの生産量を増やすため、ジェネリック医薬品大手5社とライセンス契約を結んだと発表した。ジェネリック大手は、発展途上国127ヶ国向けに生産し、ギリアド・サイエンシズはライセンス料を徴収しない。

 今回ライセンス契約を受けたのは、インドのマイラン、シプラ、ヘテロ、Jubilant Lifesciences、パキスタンのFerozsons Laboratories。対象の127ヶ国には、中国は除外し、ASEANではインドネシア、タイ、フィリピン、ラオス、ベトナム、カンボジア、ミャンマーが対象となった。薬価はジェネリック大手が各社で定める。ライセンス無償提供は、世界保健機関(WHO)が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」を解除するか、他の治療薬もしくはワクチンが承認するまでとした。他の治療薬やワクチンの承認を牽制することで、レムデシビルを有利にすすめる狙いがある。

 同社は、今回ライセンス提供を認めた5社のうちJubilant Lifesciencesを除く4社とは、以前からパートナーシップ関係にあった。

 ギリアド・サイエンシズが開発したレムデシビルは5月1日、新型コロナウイルス治療薬として、米保健福祉省の食品医薬品局(FDA)の緊急時使用許可(EUA)を受けた第1号の治療薬。まだ試験段階だが、拡大する米国での感染の終息に向けて、FDAは今回の対応を行った。同社は既に14万人分のレムデシビル(10日間の投与を想定して計算)を無償提供。他の企業にも協力を仰ぎ、10月までに50万人分、12月までに100万人分の治療薬を生産する考えを示していた。

 レムデシビルの緊急時使用許可はFDAによる正式な認可とは異なり、一時的で、使用は入院中の重篤な新型コロナウイルス患者の治療のみに限定される。FDAは今回、アメリカ国立アレルギー・感染症研究所とギリアド・サイエンシズの持つ2つの臨床データを元に緊急時使用許可を出したが、レムデシビルの臨床データは現段階では少なく、新型コロナウイルスの治療の安全性や効果、また適切な投与量や期間はまだ明らかになっていない。予期せぬ副作用が起きる可能性も残されており、治療にあたる医療従事者は、副作用等が確認された場合には、その状況をFDAに報告することが義務付けられる。

 米連邦政府は、新型コロナウイルスによる各都市の影響度合いを考慮しながら、各病院へ薬を配布する。症状の重篤度に応じて、5日間もしくは10日間レムデシビルを投与することが検討されている。

 日本の厚生労働省も5月7日、米国での臨床データを踏まえ上で、新型コロナウイルス治療薬としてレムデシビルの日本での使用を特例で承認した。今回の特例承認を可能にするため、政府は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行令の一部を改正する政令」を5月2日に公布していた。

 目下、ギリアド・サイエンシズは、無償で日本にもレムデシビルを提供しているが、供給数量が限られるため、当面の間、各医療機関が厚生労働省にインターネット入力で必要数を示した上で、厚生労働省が配分する体制にしている。同省は、富士フイルム富山化学が開発した治療薬アビガンについても、5月中の承認をめざしている。
【参照ページ】Voluntary Licensing Agreements for Remdesivir
【参照ページ】Access Partnerships
【参照ページ】Gilead’s Investigational Antiviral Remdesivir Receives U.S. Food and Drug Administration Emergency Use Authorization for the Treatment of COVID-19
【参照ページ】Gilead Announces Approval of Veklury® (remdesivir) in Japan for Patients With Severe COVID-19
【参照ページ】レムデシビル(販売名:ベクルリー点滴静注液100 mg、同点滴静注用100mg)の投与をお考えの医療機関の皆さまへ

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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