金融世界大手英スタンダードチャータードとシンガポールのDBSは5月12日、ブロックチェーン技術を活用した中国人民元建ての国際信用状(LC)を初めて発行したと発表した。シンガポール・デジタル金融スタートアップのコンツアーが開発したブロックチェーン貿易金融ネットワーク「コンツアー(旧ボルトロン)」を活用した。
今回LCCを発行したのは、資源開発世界大手英豪リオ・ティントと中国鉄鋼大手の宝鋼集団間のLC。LCとは、貿易決済で活用される信用保証。コンツアーは2018年4月に、貿易決済のデジタル化を目指すプロジェクトとして発足。法人向けブロックチェーンソフトウエア企業R3のコルダを活用し、LC発行の実証実験を開始していた。
コンツアーは、スタンダードチャータードが2019年8月、PTTグループとIRPC間のタイとシンガポールの貿易でアジア間貿易としての初のLC発行を成功。同9月には、HSBCが同じく今コンツアーを活用し、香港のMTC Electronicと中国・深圳の親会社MTCの間でのLC発行を成功させている。
コンツアーはその後、14ヶ国で50以上の銀行との実証実験を繰り返し、以前は5日間から10日間を要していたLC発行の時間を24時間にまで大幅削減することに成功。1月からは本サービスとしての提供を開始し、正式に法人をシンガポールに設立した。同社の設立では、スタンダードチャータード、HSBC、BNPパリバ、ING、バンコク銀行、 CTBCベンチャーキャピタル、スカンジナビスカ・エンシルダ銀行、ベイン&カンパニー、CryptoBLK、R3が出資した。すでにその後、シンガポールのDBS、ベトナムのHDBankも参画。またサプライチェーンリスク管理Chinsayも参画し、今回の初の人民元LC発行にも協力している。
【参照ページ】Baosteel and Rio Tinto complete first deal on Contour platform
【参照ページ】Contour launches following success of bank-backed project to digitise Trade Finance
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら