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【南米】アマゾンでの資源開発、先住民の土地の約2割を破壊。WRIとRAISGが初の包括調査実施

 国際環境NGO世界資源研究所(WRI)とAmazon Geo-Referenced Socio-Environmental Information Network(RAISG)は10月7日、アマゾンでの資源採掘行為が、先住民の土地で認められている熱帯雨林のうち20%に及ぶ45万km2を脅かしているとするレポートを発表。先住民族の権利に関する国連宣言で認められている先住民族の人権の観点から、アマゾンでの資源開発は問題を孕んでいると指摘した。大規模な土地データに基づく先住民族の権利侵害の調査は今回が初。

 アマゾンは、資源が豊富な地域で、銅、錫、ニッケル、鉄鉱石、ボーキサイト、マンガン、金が主要鉱物。今回の調査は、ブラジル、ボリビア、コロンビア、エクアドル、ペルー、ベネズエラ、ガイアナ、スリナム、仏領ギアナのアマゾン地帯について、土地情報システム(GIS)を用いた資源開発情報の把握、文献調査、法律調査、現地インタビューを実施した。

 その結果、地理的にアマゾンと認められる地域のうち、18%に相当する128万km2で大規模な資源開発契約が締結されており、そのうち45%の56.7万km2がの資源開発活動が実施中であることが判明。その多くが先住民の土地と重なっており、違法な資源開発地での資源開発契約が14.3万km2、開発休止中の面積も30.2万km2で、先住民の土地のうち合計で44.5万km2で資源開発契約が結ばれていた。

 南米の多くでは、先住民の土地であっても、政府が地下資源に対し資源開発権を設定し、企業に採掘を許可することができるようになっている。そのため、合法的に資源開発契約が結ばれていたとしても、先住民族の権利が侵害されていると思われるケースが多いという。同レポートによると、鉱物資源の需要が高まったことで、3,651ヶ所に設定されている先住民族地区のうち、1,131地区で資源採掘が展開。また、水銀などの有毒な化学物質が河川に流入する原因にもなっている。2000年から2015年までの間で、資源採掘が行われている先住民の土地では、行われていない土地よりも森林の喪失発生率が高かった。

 違法資源採掘が集中しているのがボリビアとペルー。ブラジルでは、政府が先住民の土地での資源採掘を禁止する政策が長く続いていたこともあり、2000年から2015年までの森林破壊率は他の国より低かったという。
 
 生態系の被害だけでなく、先住民コミュニティと採掘労働者との間で紛争も起こっている。2018年には、ラテンアメリカを中心に紛争事件による死傷者も発生し、抗議活動を展開していた活動家164人が殺害されている。

 銅レポートでは、先住民の生活を資源開発から保護するため、政府が講ずべきアクションも提示。先住民が違法な採掘作業を止めさせることに成功した事例も紹介している。

【参照ページ】RELEASE: New Study Reveals Mining in the Amazon Threatens 20% of Indigenous Lands

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