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【スイス】企業に人権侵害・環境破壊防止義務化の国民投票、農村州反対で否決。大企業は賛成

 スイス政府は11月29日、国内外で人権侵害や環境破壊を引き起こした同国企業に法的責任を課す法律の制定に関する国民投票が実施され、投票者の50.7%が賛成票を投じたものの、可決に必要な過半数の州(カントン)の支持は得られず否決された。同じく国民投票にかけられた武器製造業者への公的融資を禁止する法律制定案も否決された。

 同法案は、2016年にスイスのNGOが提起し、「責任あるビジネス・イニシアチブ(RBI)」と呼ばれている。内容は、国内外の関連会社や主要なサプライヤーが起こした環境破壊や人権侵害に関してスイス企業の法的に責任を課し、デューデリジェンスを義務化するというもの。

 同法案を巡っては、連邦上院(全州議会)では、厳しすぎるとして反対する一方、連邦下院(国民議会)では比較的賛成の立場を示しており、両院での調整に約4年間が費やされた。産業界では、ネスレや、グローバル企業約90社が加盟する多国籍企業グループ(GEM)を中心に賛成する声と、中小企業を中心に反対する声に分かれていた。機関投資家27団体からは2019年に、賛成の共同声明も出ていた。

 国民投票の可決の条件は、有効投票数全体での過半数の賛成と、賛成多数州が過半数に達することの双方を満たすこと。結果は、全体では50.7%が賛成したものの、州では24のうち8.5に留まった(26州のうち6州は半票しか持たない)。賛成州は、チューリヒ州、ベルン州、ジュネーブ州、バーゼル市、ヴォー州等の人口の多い都市州。フランス語圏の州も賛成多数が多かった。一方、ドイツ語州を中心に農村州は反対多数が多かった。

 今回、RBIが国民投票で否決されたことで、連邦上院が提案していた代替法案が成立することとなった。代替法案では、環境破壊と人権侵害に関する情報開示と、児童労働と紛争鉱物に関するデューデリジェンスのみを義務化する。RBIが定めていた法的責任は負わせない。

 一方の武器製造業者への公的融資を禁止する法律制定案は、反対が57.45%で多数。賛成州も3.5しか集まらず、否決された。

【参照ページ】MANDATORY HUMAN RIGHTS DUE DILIGENCE IN SWITZERLAND: ETHOS AND INSTITUTIONAL INVESTORS JOIN FORCES TO SUPPORT AMBITIOUS LEGISLATION

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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