食品世界大手米カーギルは3月1日、養殖業での二酸化炭素排出量を削減するため、海洋生態系保護イニシアチブ「SeaFurther Sustainability」を発足したと発表した。今回のアクションは、同社スコープ3二酸化炭素排出量を、2030年までに30%削減するアクションの一環。
同イニシアチブはまず、鮭の養殖から着手。海洋スチュワードシップや、気候変動に対応した持続可能なフードシステムの構築を進める。その後、海老等にも拡大。2030年までに二酸化炭素200万t削減を目指す。
現在の鮭養殖では、飼料生産での二酸化炭素排出量が90%を占める。同イニシアチブは、飼料サプライヤーと協働し、二酸化炭素排出量を最小化するよう、飼料を再設計した。また、魚の切り身のうち従来では廃棄扱いだった部分も有効活用。海洋へのインパクトや資源消費量の削減や、動物福祉の促進も同時に進める。
カーギルは、海洋関連では、国際海事機関(IMO)が目標としている2050年までに海上輸送での二酸化炭素排出量50%削減にも準拠しアクションを展開中。2019年末から、合計300万米ドル(約3億円)のエネルギー削減設備を導入。2020年9月には、船舶運航の二酸化炭素排出量削減ソフトウェア開発ZeroNorthへの出資を行った。また同年11月には、英船舶風力活用型推進技術開発BAR Technologiesと協働。最先端の風力推進技術を活用した帆船開発プロジェクトを開始している。
【参考】【国際】カーギル、船舶CO2削減でZeroNorthに出資。ラテン系米国人コミュニティ支援も(2020年9月7日)
【参考】【国際】カーギル、帆の活用で船舶輸送のCO2を最大30%削減へ。BAR Technologiesと協働(2020年11月3日)
【参照ページ】Cargill partners with farmers to chart new course in seafood sustainability, reducing the carbon footprint of fish farming and protecting oceans
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