金融世界大手米ゴールドマン・サックスは4月13日、今後のカーボンニュートラル社会に向けた電化や再生可能エネルギー発電により、「銅が新たな石油になる」とするレポートを発表した。今後、銅が非常に貴重な資源になるとの見方を示した。
同レポートによると、銅は非常に安価な資源で、誘電体の役割を果たしているが、石油資源を放棄するためには、膨大な銅が必要になるという。他にも金属資源やレアメタルも同様に重要となるが、とりわけ銅がカギを握るとの考えだ。
世界的には、銅価格は近年、1t当たり7,000米ドル当たりに落ち着いており、その影響で資源大手にとって銅の新規採掘事業への足踏みが続いている。しかし、2020年代に銅の需要は急増が予想される中、供給増の体制は全く準備できていないと大きな警鐘を鳴らした。そのため2025年には、銅価格は1t当たり15,000米ドルにまで急騰する可能性があるという。
その中で、重要となるのは、廃棄物からの銅回収。いわゆる都市鉱山。現在の銅のリサイクルには、半製品の生産過程で生まれた銅廃棄物を再度スクラップして原料化するフローと、完成品の廃棄物を回収し、原料リサイクルフローの2つがあるが、後者のほうが圧倒的に数量確保でのポテンシャルが大きい。そのため、自動車、不動産、工場等の廃棄物から銅を回収するビジネスモデルを確立することが将来の銅調達の帰趨を決することになるという。
電化や再生可能エネルギーによる資源需要増では、世界銀行が2017年に警鐘を鳴らすレポート「The Growing Role of Minerals and Metals for a Low Carbon Future」を発表。
【参考】【国際】世界銀行、低炭素社会移行がもたらす新たな環境破壊を懸念。資源採掘企業に対応促す(2017年8月2日)
【参考】【国際】「中国での金と銅のリサイクルコストは資源採掘価格を下回る」米化学会論文発表(2018年4月26日)
【参照ページ】Green Metals Copper is the new oil
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