29カ国が加盟するクリーンエネルギー大臣会合(CEM)は6月1日、英政府とインド政府の主導で、鉄鋼とセメントのカーボンニュートラルでグローバル規模の協働体制を築くイニシアチブ「工業ディープ脱炭素イニシアチブ(IDDI)」を発足したと発表した。国連工業開発機関(UNIDO)が活動を支援する。ドイツ、カナダ、アラブ首長国連邦(UAE)の各政府も参加意向を示しているという。
今回発足のイニシアチブは、二酸化炭素排出量の多い製鉄とセメント業界で、政府調達で低炭素鉄鋼や低炭素セメントを積極的に購入するというもの。鉄鋼やセメントは、公共インフラプロジェクトで消費されることも多く、政府調達に占める割合が大きい。例えば、世界全体で、鉄鋼の25%、セメントの40%は政府が調達している。
IDDIは、今後3年以内に10ヶ国以上の国に参加を目標として設定した。地方政府から参加も歓迎する。参加政府の一覧は、11月の第26回気候変動枠組条約グラスゴー締約国会議(COP26)の中で披露される。
同イニシアチブの狙いは、政府が市場の中での大きな需要家となることで、鉄鋼とセメントの脱炭素化を進めるというもの。すでに発展途上国企業でも、インドのタタ・スチール等は、脱炭素化型の製鉄プロセスの実証実験を始めており、発展途上国の企業にも大きな便益があると強調した。
同イニシアチブは、23ヶ国・地域が加盟する国際会合「ミッション・イノベーション(MI)」、国際官民連携プラットフォーム「Leadership Group for Industry Transition(LeadIT)」、国際再生可能エネルギー機関(IRENA)、世界銀行等とも連携する。
【参照ページ】Press Release-- Launch of Industrial Deep Decarbonisation Initiative (IDDI)
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら