欧州委員会は5月3日、EUの「外部に存在する地域」9地域の経済成長に関する新戦略を採択した。地域資源を最大限活用。6月21日に同戦略をEU理事会で採択する予定。
今回の戦略では、「外部に存在する地域」として指定されている仏海外県グアドループ、仏領ギアナ、仏海外県マルティニーク、仏海外県マヨット、仏海外県レユニオン、仏領サン・マルタン、ポルトガル領アゾレス諸島とマデイラ諸島、スペイン領カナリア諸島の9地域が対象。
EU加盟国には、他にも海外領土をもっている国もあるが、今回の9地域は、失業率が高く、GDPが低い地域ながら、若年人口、豊富な生物多様性、宇宙・天体物理学活動の地理上の戦略的位置、広大な海洋経済圏、世界におけるEUの前哨基地として、独自の資源を持っていると指摘。ブルーエコノミー、持続可能な農業、再生可能エネルギー、宇宙活動、研究、エコツーリズム等でさらに発展する大きな可能性があるとした。
そこで、戦略として5つの柱を設定した。
- 生活環境の改善、生活の質の確保、貧困との闘い、若者のための機会開発
- 生物多様性、ブルーエコノミー、研究可能性等、地域固有資産の活用
- グリーン・デジタルトランジションに基づく、持続可能で環境に優しく、気候変動レジリエントな経済転換を支援
- 近隣諸国・地域との地域協力強化
- EUプログラムへの参加を強化するための専門的な行政能力支援や意識向上策等を通じ、最僻地とのパートナーシップ・対話を強化
EUは、2021年から2027年の基金・プログラムで、最僻地に対する前例のない規模の予算についての協議をすでに開始している。今回の新戦略により、さらに政策を加速したい考え。EUでは、欧州連合の機能に関する条約第349条で、「特別領域」で「外部に存在する地域」に対し、特別な支援措置が認められている。
【参照ページ】The Commission's renewed Strategy for the EU's outermost regions puts people first and unlocks their potential
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