スイスのビジネススクールIMDの世界競争力センター(IMD World Competitiveness Centre)は12月8日、国ごとの人材競争力を示した「世界人材ランキング(World Talent Ranking)」の2022年版を発表した。日本は4年連続で順位を落とし、41位だった。
IWDは毎年、「世界競争力ランキング」「世界人材ランキング」「デジタル競争力ランキング」を発表しており、世界人材ランキングは2014年から発表。今年は63ヶ国・地域が対象となった。評価項目は、初等教育から高等教育、労働環境、スキル開発まで幅広く評価され、総合点でランキング付けされる。
IMD世界人材ランキング2022
- スイス
- スウェーデン
- アイスランド
- ノルウェー
- デンマーク
- フィンランド
- ルクセンブルク
- オーストリア
- オランダ
- ドイツ
- カナダ
- シンガポール
- ベルギー
- 香港
- アイルランド
- 米国
- エストニア
- オーストラリア
- 台湾
- イスラエル
- アラブ首長国連邦(UAE)
- キプロス
- フランス
- ポルトガル
- スロベニア
首位は昨年と同じくスイス。3位のアイスランドは順位を4つ上げた。フィンランドも2つ順位を上げた。
日本の過去5年間の推移は、2018年が29位、2019年が35位、2020年が38位、2021年が39位で、今年が41位。東・東南アジアでは、シンガポール12位、香港14位、台湾19位、マレーシア33位、韓国38位、中国40位、日本が41位。
日本の項目別ランキングは、主に労働環境を示す「アピール項目」では、人材採用や離職率の面では4位、管理職の給与も8位と高かったが、生活費が59位、外国人ハイスキル人材にとっての魅力では54位と低く、全体で27位と伸び悩んだ。
また、人材育成への投資を示す「投資・開発項目」では、インターシップ等の22位が最も高く、一方、GDPに対する教育支出は54位、女性の労働力比率38位、小学校の生徒数に対する教師数で37位と低く、全体で37位。
実際の人材力を評価する示す「用意項目」では、15歳の学習到達度調査(PISA)は5位だったが、国際経験は63位で最下位、語学力は62位と下から2番目、上級管理職のコンピテンシーで61位で下から3番目、マネジメント教育では60位で下から4番目、大学教育では59位で下から5番目という悲惨な状況だった。
日本の全体傾向として、働く上での経済環境はまだましだが、学校教育に関しても遅れを取っており、さらに社会人になってからのグローバル人材力や管理職の質の面では、最下位クラスになっていると言える。
【参照ページ】IMD World Talent Ranking 2022
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