ブラジルでボルソナロ前大統領の支持者数百人から数千人が1月8日、警察のバリケードを突破し、同じ敷地内にあるブラジル連邦議会議事堂、最高裁判所、大統領官邸を占拠した。各庁舎には要人はおらず、ルーラ大統領も、南東部都市アララクアラで、2022年末の洪水で壊滅的な被害を受けた地域を訪問中で不在だった。
ブラジルでは、2022年10月30日に大統領選決選投票が行われ、50.9%対49.1%の僅差で、労働党のルーラ元大統領が、自由党のボルソナロ大統領を下し、大統領の座に返り咲いた。しかし選挙直後から、ボルソナロ前大統領支持者が道路封鎖や通行の一部妨害を行う等、デモ活動が断続的に発生。支持者は、ルーラ大統領派が選挙結果を捏造していると批判し、国軍がルーラ氏を排除すべきと訴えてもいた。ルーラ大統領は1月1日に大統領に就任していた。一方、ボルソナロ前大統領は、任期終了の前日に米フロリダ州に出発し、自身をブラジル選挙当局の陰謀の犠牲者と主張。現在も同州にいるとみられている。
今回、暴徒に対し、警察は催涙ガスを放ったが、庁舎内への侵入は止まらなかった。最終的に治安部隊が投入され、庁舎を奪回。ブラジルテレビの報道では150人が逮捕された模様。ルーラ大統領は、記者会見とともに、自身のツイッターで、「今日の(首都)ブラジリアでの蛮行をご覧になったことでしょう。私達がファシストと呼ぶ、政治の世界で最も忌まわしい者たちが宮殿と議会に侵入しました。警備が不十分だったと思われます」「今日彼らがしたことは、この国の歴史上、前例がない。そのために彼らは罰せられなければならない」「今日ブラジリアに行った人たちの資金提供者が誰なのかを突き止め、全員、法の力で裁かれることになる」とツイートした。
今回の事態を受け、米バイデン大統領は暴徒を非難。「ブラジルの民主的機関は我々の全面的な支持を受けており、ブラジル国民の意思が損なわれることがあってはならない。今後もルーラ大統領とともにある」とツイートした。
EUのシャルル・ミシェル欧州理事会議長(EU大統領)も、「ブラジルの民主的制度に対する襲撃を絶対的に非難する。大統領を全面的に支持する」とツイートした。
コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領、チリのガブリエル・ボリッチ大統領、キューバのミゲル・ディアス国家評議会議長も暴徒を非難した。
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