エネルギー世界大手米シェブロン傘下のシェブロン・ニュー・エナジー、米再生可能水素ベンチャーRaven SR、米燃料電池自動車(FCV)スタートアップHyzon Motorsの3社は1月9日、米カリフォルニア州で、生ゴミを水素化する生産施設の商業運営で協働すると発表した。
今回のプロジェクトの肝は、Raven SRが保有する技術。Raven SRは、生ゴミや食品廃棄物を燃焼プロセスを経ずにガス化して水素と一酸化炭素の合成ガスを製造する独自技術を持つ。抽出したガスの販売や、ガスと合成ガスを化合し合成燃料を生産することも目指している。同社に対しては、2021年8月、シェブロン、Hyzon Motors、Ascent Hydrogen Fundsに加え、伊藤忠商事も出資している。
今回建設する施設は、シェブロンが50%、Raven SRが30%、Hyzon Motorsが20%を出資して設立するRaven SR S1が所有。Raven SRは、2024年第1四半期の稼働を目指し、同施設の運営を行う。米カリフォルニア州では、州法1383により、2022年1月以降、家庭と企業に対し、有機性廃棄物のリサイクルが義務付けられており、今回の処理もその一環。さらに、Raven SRの還元技術は、真水を使用しない点も有利。同プロジェクトに使う電力については、現在ゴミ処理場に設置されているガス発電機を改良し、60%を自家発電することも計画している。
同施設は、リパブリック・サービスが運営するウェストコントラコスタゴミ処理場から、1日当たり最大99tの生ゴミを受け取り、年間最大2,400tの再生可能水素を生産する予定。それを、シェブロンが、ベイエリア及びカリフォルニア州北部の給油所で、燃料電池車(FCV)向けの燃料として水素を販売していく。シェブロンは、ベイエリアおよび北カリフォルニアの給油所で水素を販売し、ゼロエミッション車へのエネルギー転換を可能にする計画。またHyzon Motorsは、FCV商用車、同州リッチモンドの水素ハブで、FCVトラック向け水素として提供する。
【参照ページ】raven SR, chevron and hyzon motors collaborate to produce hydrogen from green waste in northern california
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