
EUで3月7日、デジタル市場法(DMA)に基づく「ゲートキーパー」に対する規制が発効した。ゲートキーパーに指定されているのは、アップル、アルファベット、メタ、アマゾン、マイクロソフト、バイトダンスの6社。さらに2社の指定が追加検討されている。
【参考】【EU】欧州委、デジタル市場法「ゲートキーパー」を最終決定。6社指定。サムスンは外れる(2023年9月7日)
【参考】【EU】欧州委、アップルとマイクロソフトの4サービスをデジタル市場法ゲートキーパーから指定除外(2024年2月15日)
ゲートキーパーは、月間アクティブ・エンド・ユーザー数が4,500万人以上、年間ビジネス・ユーザー数が1万人以上で、市場に大きな影響を与え、安定した市場地位を確立しているという基準で指定される。欧州委員会は2023年9月、ゲートキーパー6社を指定し、6社が運営する中核プラットフォームサービス22個を特定している。指定後、ゲートキーパーはDMAに基づく義務を遵守するために6ヶ月の猶予期間が設けられていた。
同法は、競争法の観点から、ゲートキーパーからプラットフォーム上で事業を行う事業者を保護することを目的としている。そのため、ゲートキーパーは、市場で優位な立場にあることを利用し、自社サービスを抱き合わせて提供していくことができなくなる。具体的には、アプリ提供、アプリ販売、決済サービス、広告、データ囲い込み、サービスの相互運用性等の面で、オープン性を確保しなければならない。
欧州委員会は3月1日、新たに、Booking.comとXがデートキーパー基準を満たしている可能性があるとの通知を受け取ったことを明らかにした。また、バイトダンスについても、TikTok以外のサービスで同様の通知を行っているが、どのサービスかは不明。欧州委員会は45日以内に判定を出すルールとなっており、結果が5月13日までに発表になる予定。
DMAの発効を受け、アップルは3月8日、欧州委員会に対し、米Epic Gamesに対して発動していたアカウント削除を撤回すると発表している。Epic Gamesは、同社が運営するゲーム「フォートナイト」で、アップルがアプリ事業者に利用規約で縛っていたアプリ外課金の禁止に違反し、ゲームユーザーにアプリ外での課金を誘導していたことで、アップルの「App Store」での「フォートナイト」提供禁止措置を受けていた。しかし、アプリ外課金の禁止がDMAに抵触するため、Epic Gamesは3月6日、欧州委員会に申し立てると公表していた。それからわずか2日後にアップルは、「フォートナイト」を「App Store」に復帰させることを欧州委員会に通知した形となった。
アップルは2月にもDMAに対応するため、多くの運用方針の変更を発表している。
【参考】【EU】アップル、デジタル市場法対応で新運用方針発表。決済やアプリDLで。コアテクノロジー料には批判も(2024年2月11日)
【参照ページ】The European Commission invites farmers to participate in online survey on simplification
【参照ページ】Booking, ByteDance and X notify their potential gatekeeper status to the Commission under the Digital Markets Act
【参照ページ】UPDATE: Apple Reinstates Epic Developer Account After Public Backlash for Retaliation
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