
国土交通省は4月26日、国内空港の「空港脱炭素化推進計画」作成状況を発表。計画を策定した空港が32ヶ所にまで増えたことがわかった。
同省は2022年12月、「空港脱炭素化推進のための計画策定ガイドライン」の改正版を発表。計画認定は同ガイドラインに基づきて行われている。「空港脱炭素化」の範囲は、空港内の全ての施設、空港車両(管理車両、消防車・除雪車等の特殊車両、GSE、事業者業務用車両等)の2つ。加えて、駐機中や地上昇降中の航空機、旅客の空港アクセス及び空港内の従業員の通勤の2つについても、施策を展開する場合は、参考として温室効果ガス排出量を可視化するよう求めている。国際的に飛行中の排出量は、空港業務からの排出量から除外されており、別途航空会社の削減対象となっている。
同ガイドラインでは、日本政府が2013年度比で2030年度に46%減、2050年にカーボンニュートラルとすることを目標としていることや、国際民間航空機関(ICAO)で国際航空での2050年カーボンニュートラルが採択されたことを踏まえ、これに準拠する目標を設定することを求めている。
また、実現に向け、空港内での再生可能エネルギー発電の導入や、エネルギーマネジメント、地域連携・レジリエンス強化等も内容に盛り込んでいる。再生可能エネルギーの空港内設置では、太陽光発電パネルの反射等による航空機運航や管制への影響、空港への安定した電力供給、水素燃料の充填に係る安全対策等、航空機運航や空港運用の安全確保に支障を及ぼす恐れがないことを確認することも求め、事業の実施に向けた安全確保の方針や検証方法等についても記載されている。空港内でのカーボンクレジット創出についても盛り込んでいる。
すでに空港脱炭素化推進計画が認定されたのは、運営事業者が民営化されている成田国際空港、中部国際空港、関西国際空港、大阪国際空港の4つに加え、愛知県が運営している県営名古屋空港の5ヶ所。また国が運営している東京国際空港、稚内空港、新千歳空港、釧路空港、函館空港、仙台空港、新潟空港、八尾空港、松山空港、高知空港、北九州空港、長崎空港、大分空港、宮崎空港、鹿児島空港、那覇空港の16空港と、自衛隊との共用空港の丘珠空港、三沢空港、百里空港、小松空港、美保空港、岩国空港、徳島空港の7空港、民間に運営を委託している広島空港、高松空港、福岡空港、熊本空港の4空港も計画を作成した。
国管理の27空港の計画では、小松空港、八尾空港、徳島空港、高知空港、熊本空港、大分空港、宮崎空港、長崎空港は2030年までに空港施設と空港車両でのカーボンニュートラルを標榜。野心的な目標となった。
今後は、国土交通省が、航空機と旅客の空港アクセス及び空港内の従業員の通勤の2つでの目標設定まで議論を進展させるかに注目が集まる。
【参照ページ】空港脱炭素化推進計画策定状況
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