
スイスのビジネススクールIMDの世界競争力センター(IMD World Competitiveness Centre)は6月17日、国ごとの競争力を示した2024年版「世界競争力ランキング(World Competitiveness Ranking)」を発表した。同センターは1989年に同ランキングの発表を開始し今年で36回目。2024年版は世界主要国67ヶ国・地域が対象となった。
同ランキングでは、256の指標を用いて集計。指標の64%は雇用統計や貿易統計といった公式定量データを基にしており、残り36%は、公式統計では把握しづらい「マネジメント慣行」「ビジネス規制」「労働市場」「姿勢・価値観」等の内容をIMDが実施する経営幹部意見調査「Executive Opinion Survey」の結果も踏まえて算出している。同調査では2024度版は6,000人以上の回答を得た。
国ごとの競争力を測るランキングでは、他に世界経済フォーラムが発表している「Global Competitiveness Report(世界競争力レポート)」がある。これら2つが世界的に非常に有名。
IMD世界競争力ランキング2024
- シンガポール
- スイス
- デンマーク
- アイルランド
- 香港
- スウェーデン
- アラブ首長国連邦(UAE)
- 台湾
- オランダ
- ノルウェー
- カタール
- 米国
- オーストラリア
- 中国
- フィンランド
- サウジアラビア
- アイスランド
- ベルギー
- カナダ
- 韓国
- バーレーン
- イスラエル
- ルクセンブルク
- ドイツ
- タイ
首位は昨年同様シンガポール。2位は昨年3位のスイス。日本は38位で、過去5年間の推移は、34位、31位、34位、35位、38位で1997年以降で最低順位となった。東・東南アジアでも、上位20位以内に入ったシンガポール、香港(2順位アップ)、台湾(2順位ダウン)、中国(7順位アップ)、韓国(8順位アップ)のほか、順位を5つ上げたタイの25位をも下回った。インドネシア27位、マレーシア34位で、日本の凋落が止まらない。
首位のシンガポールは、分野別で1位はないものの、「経済パフォーマンス」「政府効率」「ビジネス効率」「インフラ」の4部門で全て4位以内と高位に付けた。2位スイスは、「政府効率」と「インフラ」で首位だが、「経済パフォーマンス」は12位と伸び悩んだ。
日本の項目別ランキングは、42位の「政府効率」と51位の「ビジネス効率」が大きく足を引っ張っている。ビジネス効率では、マネジメント慣行が67カ国・地域中65位と下から3番目。生産性&効率も58位と下から9番目でかなり深刻な状況。政府系金融64位と物価55位も極めて低い。企業の競争力にとって非常に需要な「姿勢&価値感」でも57位で非常に悪かった。
【参照ページ】Singapore is the most competitive economy out of 67 across the world’s eight major regions.
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