
英キア・スターマー首相は7月10日、新政権で最初に取り組む6つの重点政策分野を発表した。同首相は7月5日に新首相に就任した。
労働党は2024年総選挙で圧勝し、選挙前議席の206から倍の412議席を獲得。一方、14年間与党だった保守党は開戦前議席の345から121へと大幅に議席を減らした。かつて二大政党だった自由民主党は、選挙前の15から72へと躍進。英国のEU離脱を主導したナイジェル・ファラージ党首率いるリフォームUK(旧ブレグジット党)は、EU離脱を果たした後に活動休止していたが、コロナ禍でのロックダウン政策に反対し2020年11月に活動を再開。今回5議席を獲得した。
今回発表した6つの重点政策分野は、
- 経済の安定:経済の安定を回復し、国内のあらゆる地域をより豊かにする。経済を成長させ、英国の繁栄と勤労者の生活水準を向上。課税、インフレ、住宅ローンを可能な限り低く抑えるため、歳出を厳しく管理する。
- 国民保健サービス(NHS)の待ち時間の短縮:夜間や週末に毎週4万件の予約を増やし、NHSの待ち時間を削減。租税回避や税制の抜け穴を取り締まることで、予約の費用を賄う。NHSのCTとMRIスキャナーの数を倍増し、毎年70万件の緊急予約を含む歯科診療パッケージも導入する。
- 国境警備隊の新設:国境の安全確保に向け、国境警備隊を新設。より多くの警察官と捜査官を投入し、密輸や人身売買の犯罪組織を壊滅さえる。
- グレート・ブリティッシュ・エナジーの設立:スコットランドに国営のクリーン電力会社グレート・ブリティッシュ・エナジーを設立。再生可能エネルギー等の発電を行い、安価に供給する。
- 反社会的行為の取締:1万3,000人の近隣警察と警察補助員(PCSO)を増員し、各コミュニティが必要な時に連絡できる担当警官を配置。犯罪者には厳しい罰則を設け、犯罪に巻き込まれるおそれのある若者に必要な支援を提供する青少年ハブの新ネットワークも導入する。取締りを容易にする規制も導入する。
- 教師6500人の新規採用:私立学校の減税措置を廃止し、得られた財源を活用し、不足している主要教科で6,500人の教員を新たに採用する。また、若者が人生と仕事に必要なスキルを習得できるよう、創造性、デジタル技術、コミュニケーション能力を開発するため、カリキュラムをより豊かで幅広いものに見直す。
【参照ページ】Our first steps for change
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