
金融情報世界大手米MSCIは7月22日、ESG評価と資本コストの相関関係を分析したレポートを発表。株式市場と債券市場の双方で、企業のMSCI ESGレーティングのスコアと、資本コストの間に有意な相関関係があることを発見した。
今回の分析では、株式に関しては、MSCI ACWIインデックスの選定銘柄、社債に関してはMSCI社債インデックスの選定銘柄を対象とし、2015年8月から2024年5月までの月次資本コストデータが入手可能な4,319社を分析対象として設定。各発行体のESG評価を5段階に分けてグループ化し、資本コストを比較した。
その結果、低評価の企業の資金調達コストは最も高く、調査期間平均で7.9%となった一方、高評価企業の資金調達コストは調査期間平均で6.8%となり、最も低かった。また、評価がもっと良いグループの企業は、自国市場要因を意味する自国リスク・フリー・レートと株式リスク・プレミアムを考慮した後でも、エクイティ・コストが有意に低かった。また、上位5分位の発行体は、下位5分位の発行体よりもベータ値が有意に低かった。
時系列の相関関係だけでなく、MSCI ESGレーティングの評価の変化に起因するイベントの影響についての分析も実施された。結果、評価の小幅な変動では資本コストの有意な変化は観察されなかったが、2ノッチ以上の変動では、強い方向性の関係が確認された。
【参照ページ】MSCI ESG Ratings and Cost of Capital
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