
米大統領府(ホワイトハウス)は7月26日、2023年5月に発表した「重要技術・新興技術国家標準化戦略(USG NSSCET)」の実行ロードマップを発表した。同戦略の実現の主体は企業としつつ、連邦政府機関としてサポートする内容をまとめた。
【参考】【アメリカ】バイデン政権、重要技術・新興技術国家標準化戦略発表。国際規格策定で主導権(2023年5月6日)
同戦略では、米国の産業標準化は、企業主導で進められてきたことを再確認し、同時に米国産業の強みと認識。重要技術・新興技術(CET)分野でも、企業主導のボトムアップ戦略を採用する方針を固めた。米国政府としては、国家経済安全保障の保護と支援や、安全性、相互運用性の分野で独自の役割があり、企業の産業標準化の動きを後押ししていくとした。
今回のロードマップでは、民間主導の標準化のための指針として「透明性を基盤とする」「長年の官民パートナーシップを強化する」「最高の技術が市場に投入される自由で公正な市場競争に対する米国のコミットメントを反映する」の3つポリシーを設定。その上で、長期と短期の行動指針を掲げた。
長期的な行動指針では、商務省と国務省は、米国通商代表部(USTR)とともに、米国規格協会(ANSI)を含む民間部門と協力し、民間主導アプローチを世界的に推進。米政府としては、ANSIが米国での標準化の調整役となり、連邦政府としてNIST(米国立標準技術研究所)が政府間の動きを調整し、ANSIをサポートする。USG NSSCETは、ANSIが発表した米国標準化戦略(USSS)を補完し、CET標準化開発における米国政府の優先事項を支援、補完、伝達する役割を果たす。
短期的には、米国政府による標準化前の研究開発及び標準化への参加を増やす機会を特定するとともに、国内および国際的な標準化活動への米国ステークホルダーの参加を促し、育成し、障壁を取り除いていく。技術協力協定、標準に関連するコミュニケーションと協力のための国際的メカニズムの在り方についても検討していく。
同戦略では、ホワイトハウスで、CETをリスト化することを定めている。2024年2月に発表されたリストでは、以下がCETに指定されている。
- 先端コンピューティング
- 先端エンジニアリング材料
- 先進ガスタービンエンジン技術
- センシングとシグネチャー管理の高度化とネットワーク化
- 先進製造
- AI
- バイオテクノロジー
- クリーンエネルギー生成と貯蔵
- データプライバシー、データセキュリティ、サイバーセキュリティ技術
- 指向性エネルギー
- 高度自動化・自律化・非クルーイングシステム(UxS)・ロボット工学
- ヒューマン・マシン・インターフェース
- ハイパーソニックス
- 統合通信・ネットワーク技術
- 測位・航法・タイミング(PNT)技術
- 量子情報とそれを可能にする技術
- 半導体とマイクロエレクトロニクス
- 宇宙技術とシステム
【参照ページ】FACT SHEET: Implementing the National Standards Strategy for Critical and Emerging Technology
【参照ページ】White House Office of Science and Technology Policy Releases Updated Critical and Emerging Technologies List
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく
ログインする
※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら