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【国際】米国務省、人道支援に3150億円拠出で国連と合意。「人道リセット」でプール型資金管理へ

【国際】米国務省、人道支援に3150億円拠出で国連と合意。「人道リセット」でプール型資金管理へ 2

 米国務省と国連人道問題調整事務所(OCHA)は12月29日、国連人道支援に対する米国の資金提供に関する新たな枠組を定めた覚書(MOU)に署名。17カ国及び1基金に限定し、米政府として20億米ドル(約3,150億円)を拠出することを約束した。

 今回の発表では、国務省は、国連に対する不満を表明した。米国による国連への年間拠出額は近年急増し、人道支援のための国連への任意拠出金は年間80億米ドルから100億米ドルに達しながらも、「多くの国連機関は、世界平和と安全の促進という使命を放棄し、過激な社会イデオロギーを擁護し、米国の利益と価値観を損なう行動を取り、平和、主権、共有の繁栄を損なうことがあまりにも多い」と批判した。

 とりわけ国連人道支援について、「国連の人道支援任務は重複し、長年にわたりイデオロギーの浸食、苛立たしい重複業務、官僚的非効率、調整不足に悩まされてきた。他の人道支援国もトランプ大統領に同調し、人道支援システムを命を救う本来の使命に戻すための構造改革が長年遅れていることを明確にしている」と述べた。

 その上で、今回の覚書では、資金拠出の形態として、拠出金の資金使途を国連機関に一任するのではなく、国単位または危機事象単位で個別に基金を創設する「プール基金メカニズム」で行うことを約束。具体的には、国連人道問題調整事務所(OCHA)が管理し、特定の活動国における国連人道支援の実施を規定する包括的な国別政策協定に基づき運用することとなる。これにより、米政府が常に拠出先を選べるようにし、国務省によると、この方式により、1米ドル当たりの効果をほぼ倍増できるという。

 もともと「プール基金メカニズム」は、トム・フレッチャー国連緊急援助調整官(ERC)が提唱していたもの。フレッチャー氏は3月、第2期トランプ政権による大幅な拠出金の減少や、他の国からも支援金が集まりにくくなっている昨今の状況を受け、2026年に向けた国連人道支援改革「人道リセット」を表明。人道支援の優先順位を決めつつ、投資対効果を高める方針を掲げていた。今回の覚書は、米政府がフレッチャー氏に要求してきた改革の方向性で、米政府と合意に達したものと言える。

 国連によると、米政府が資金使途として認める分野は、グアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドル、ウクライナ、ハイチ、ナイジェリア、エチオピア、南スーダン、モザンビーク、ミャンマー、コンゴ民主共和国(DRC)、スーダン、バングラデシュ、シリア、ウガンダ、ケニア、チャドの17カ国と国連中央緊急対応基金(CERF)のみ。    また、国務省は国連に対し、人道支援機能を統合し、官僚的間接費、不要な重複、イデオロギー的拡大を抑止することを要求。個々の国連機関はこの方向性に適応するか、縮小するか、消滅するかを選択せねばならないと述べた。

【参照ページ】More Lives Saved for Fewer Taxpayer Dollars: Trump Administration Leads “Humanitarian Reset”in the United Nations 【参照ページ】UN, US sign $2 billion humanitarian funding agreement for 17 crisis-hit countries

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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