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【国際】オックスファム、異常気象による人道支援の増加を先進国に要求。必要額の56%

 国際NGOオックスファム・インターナショナルは6月7日、異常気象による人道的支援のニーズの増加とそれに対する先進国の対応不足を訴えたレポート「Footing the Bill」を発表した。洪水や旱魃等の異常気象に関連する国連の人道支援活動に必要な金額は、20年前と比較して約9倍。一方、先進国による支援は必要学の約54%に留まっていることが明らかになった。

 同レポートによると、2000年から2002年の異常気象に関連する人道的支援に必要な年間平均金額は16億米ドル(約2,100億円)。2019年から2021年には、平均155億米ドル(約2.1兆円)と約9倍にまで増加した。一方、先進国の2017年以降の支援金額は、必要な金額の約54%しか満たしておらず、累積で330億米ドル(約4.4兆円)の拠出不足が生じている。

 また、2021年の異常気象による経済損失は、世界全体で過去3番目に高い3,290億ドル(約44兆円)と推定されており、先進国が同年に支援した1,789億米ドル(約24兆円)の約1.8倍だった。

 低・中所得国に対する損失・損害に対応コストは、2030年までに年間2,900億米ドル(約39兆円)から5,800億米ドル(約78兆円)に達する可能性がある。これにはサイクロン後の住宅や病院の再建、シェルターや食料、緊急の支援金給付を提供するなどは含まれているが、人命、文化、生活様式、生物多様性の損失といった非経済的な損失は考慮されていない。

 国連の支援が届いていない人々を含める、さらに損失は大きくなる。2000年以降、異常気象の影響を受けた低・中所得国の約39億人のうち、国連による支援は、8分の1程度の約4.7億人にしか届いていない。

 異常気象の一つの原因となっている気候変動に対しては、先進国は、過去累積の二酸化炭素排出量の約92%、現在の排出量の37%を占めている。一方、現在のアフリカの排出量は4%に過ぎない。ケニア、ソマリア、南スーダン、エチオピアは、2440万人以上が深刻な飢餓と食糧不安に直面しているが、この国々の二酸化炭素排出量は、現在の世界の排出量のわずか0.1%。

 オックスファム・インターナショナルは、6月7日から11日まで、ドイツで開催された国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の下で設置されている実施に関する補助機関(SBI)の第56回会合「グラスゴーダイアログ」で以下の内容を要求している。

  • 先進国政府は、既存の気候変動対策資金やODAの公約に加えて、損失と損害に対応するための二国間資金を約束すること。
  • すべての政府がCOP27で損失と損害に関する資金提供団体を設立し、気候変動の責任と支払い能力に応じた年間拠出を実行することに合意すること。
  • 全政府は、気候変動による損失と損害がUNFCCCのジェンダーアクションプランのコアであることに賛成すること。

【参照ページ】800% increase in UN appeal needs for extreme weather-related emergencies over last 20 years – new Oxfam research

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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