国連食糧農業機関(FAO)は12月11日、2024年に農家への人道支援必要額は、4,300万人を対象に18億米ドル(約2,600億円)とする報告書を発表した。食糧支援が不足している中、農家自身への農業支援を行い、食糧不足の状況を緩和しなければいけないとした。
今回の発表は、国連の大規模な人道支援キャンペーンを受けたもの。国連は同日、人道支援が必要な72カ国、1.8億人に対する支援のため2024年は464億米ドル(約6.9兆円)が必要とし、支援を呼びかけている。
FAOは2023年、約6億米ドル(約850億円)の資金で、29カ国2,300万人の農家を支援。平均11ヶ月間、自ら食糧を生産し、各世帯の穀物需要を満たすことができていた。生産物の価値は全体で27.5億米ドル(約4,000億円)。人道支援の費用対効果は6倍。
具体的な例として、アフガニスタンではFAOが提供した小麦栽培のパッケージ支援により、一世帯当たりに必要な小麦の年間需要を満たすことができ、これまでよりも0.5t以上の収量増となった。食糧支援と現金給付も組み合わせた支援を実施した結果、深刻な食料不安に直面する人々の数は、2022年5月の測定人数の47%から2023年4月には40%に減少した。
スーダンでは、作付け期に戦闘が開始されたにも関わらず、国連人道問題調整事務所(OCHA)や現地パートナーの支援により農村コミュニティへのアクセスが確保されたため、植え付けに間に合うように高品質の作物の種子を100万世帯の農家に届けることができた。収穫量は1,300万人の7ヶ月分以上の食料となった。
今後、ウクライナや南スーダン等が作付けシーズン前に入る前に支援が必要となる。FAOは現地の状況に応じて、最も効果的かつ迅速な行動ができるFAO緊急時復興活動特別基金(SFERA)を通じて柔軟な資金提供の必要性を提唱。2024年に4,300万人を支援するための必要な資金18億米ドル(約2,600億円)の支援を呼びかけた。
【参照ページ】
【参照ページ】Global Humanitarian Overview 2024: UN launches $46 billion appeal for 2024 as global humanitarian outlook remains bleak
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