
米アルファベット傘下グーグルは9月10日、直接空気回収(DAC)による吸収・除去型のカーボンクレジットをカナダのホロセンから購入する予約契約を締結したと発表した。購入価格はDACでは異例の1t当たり100米ドルに抑えた。
グーグルは、大気中の温室効果ガス濃度を下げる上でDACを重要な技術と評価している。しかし、DACによるカーボンクレジット価格は現在1t当たり数百米ドルと非常に高価で、大規模な量産も実現できていない。そのため同社は、DACに先行投資し、将来価格を引き下げることが市場を拡大しようとしている。
今回の購入予約の量は、2030年前半までに10万t。1t当たり100米ドルと非常に安価なカーボンクレジット購入を実現できた要因は3つある。
まず、ホロセンは革新的なDACアプローチを採用しており、液体ベースと固体ベースの両方の要素を組み合わせることでコスト削減を実現した。具体的には、吸着剤としてはアミノ酸や他の有機化合物を用いて、大気中の二酸化炭素を連続的に捕捉。一旦回収された二酸化炭素を濃縮し、低温加熱することで純粋な二酸化炭素となり、輸送や永久保存が可能となる。低温加熱の熱源は、排熱等も活用する。
さらに今回の契約では、2030年代前半に予定されているホロセンの低コスト設備からのクレジットを購入予約するという契約を交わすことで、ホロセンに対し長期的な予見可能性を提供。これにより、ホロセンの投資の確実性を確保した。
3つ目は、米連邦政府のDAC税額控除「45Q」の活用。炭素除去量1t当たり180米ドルの税額控除が受けられるため、初期投資が加速することが期待されている。
【参照ページ】Our first-of-its-kind direct air capture deal forges a path to lower costs
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