
アラブ首長国連邦(UAE)で6月1日、気候変動影響緩和法の事業者義務が適用され、温室効果ガス排出量の多い事業者に毎年の算定義務が課された。世界有数の産油国でも温室効果ガス排出に向けた制度がスタートした。
同法では、気候変動影響の緩和とカーボンニュートラルの達成に向け、国内での排出量を管理することを主な目的とし、イノベーションや研究開発の促進、地域・国際的協力、州単位の持続可能な開発努力、グリーン経済、サーキュラーエコノミー、経済多様化計画を支援することも狙っている。
同法では、気候変動環境省が指定した事業者に対し、温室効果ガス排出量の毎年の算定と削減措置を同省に報告することを義務付けている。違反した事業者は、事業ライセンスの一時停止や取消、及び最大100万UAEディルハム(約4,000万円)の罰金が科される。排出量算定は、GHGプロトコルもしくは国際標準化機構(ISO)のISO14065、ISO14064を用いなければならない。
気候変動環境省は、省令で義務対象の基準をすでに決定。年間のスコープ1と2の排出量の合計が50万t以上の場合に同義務が適用される。義務対象となる事業者は、製造業、建設業、エネルギー・電力・熱供給、運輸・海運・航空等が多い。経済特区や金融経済特区の事業者も対象。同法は2024年12月に施行されており、最初の義務遵守期限が2025年5月末に設定されていた。
また義務対象事業者は、政府が創設する排出量取引市場でカーボンクレジットの売買も可能。取引する場合には、取引したクレジット量、売却または譲渡した相手の事業体、売却価格を記載した報告書を同省に提出しなければならない。また、排出量が50万t未満の事業者も、自主的に排出量と削減措置を同省に報告することで、排出量取引市場でのクレジット売買が可能となる。
排出量取引市場で売買できるカーボンクレジットは、パリ協定6条の要件に合致したもののみが対象。同省がクレジットの発行主体となる。
また同法では、各省に対し、気候変動リスク分析、リスク対策、実践アクションを定めることも義務化。さらに、自然災害による損害データと気候変動適応計画を気候変動環境省に提出することも義務化した。
【参照ページ】Federal Decree-Law on the Reduction of Climate Change Effects
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