
国際金属・鉱業評議会(ICMM)は7月22日、世界自然保護基金(WWF)及び世界資源研究所(WRI)と共同で、世界の鉱業・金属関連施設における物理的水リスクを包括的に分析した報告書を発表した。複数の鉱種・施設を対象に世界規模で水リスクエクスポージャーを評価した包括的分析は初。
同報告書は、世界148カ国・地域に位置する鉱山、精製所、製錬所等約12,000施設を対象に、水ストレス、水枯渇、旱魃、洪水、年毎の水供給の大きな変動(年間変動)の物理的水リスクについて分析。全施設の65.7%が、少なくとも1つの指標が高い地域に位置していた。4.9%は3つ以上の複合リスクに晒されており、単一のリスク対策では対応が困難で、事業継続や投資計画に大きな不確実性をもたらしている。
調査対象の38.2%の施設が、慢性的な高水ストレス地域または乾燥地域に位置していた。このうち70%以上が水枯渇リスクが高い地域とも重複していた。特に中国では全施設の59%が水ストレス地域に位置している。
旱魃リスクが第2位となり、全施設の27%が晒されている。鉱物別では、白金族金属が74%、クロムが60%、ダイヤモンドが57%で特に高く、地域別では、アフリカ・中東地域が80.7%に達している。水供給の年間変動リスクは、全体では16.2%だったが、オセアニアでは74%に達している。洪水リスクは全体平均は14%であり、アルミナ精製と鉄鋼生産が27%、モリブデン生産が25%、アルミニウム製錬が24%となっている。
同報告書では、リスクの発生傾向は地域や生産する鉱物品目によって大きく異なっていると指摘。世界最大の銅生産国でありリチウムの主要生産地であるチリでは、85.8%の施設が深刻な水ストレスと年間変動に同時に直面している。また、アフリカ・中東地域では80.7%の施設が高い干魃リスクに晒されている等、特定地域においてリスクが集中する傾向にある。
ICMMは、クリーンエネルギーシステムに必要な鉱物・金属の需要が高まる中、水利用を鉱山ごとの問題として個別に扱うだけでは不十分だと指摘。政府、産業界、投資家、需要企業が連携し、地域・流域単位で土地と水の利用を統合的に計画する必要があることを強調した。
【参照ページ】Competition for water poses risks to the energy transition
無料会員に登録すると、
有料記事の「閲覧チケット」を毎月1枚プレゼント。
登録後、すぐにご希望の有料記事の閲覧が可能です。
無料登録してチケットを受け取る
【無料会員向け】有料記事の閲覧チケットの詳細はこちら
または
有料会員プランで
企業内の情報収集を効率化
- 2000本近い最新有料記事が読み放題
- 有料会員継続率98%の高い満足度
- 有料会員の役職者比率46%
有料会員プランに登録する