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【日本】農水省、小麦の政府売渡価格を12%引上げ。気候変動や貿易不安定化、円安の影響

【日本】農水省、小麦の政府売渡価格を12%引上げ。気候変動や貿易不安定化、円安の影響 1

 農林水産省は9月9日、輸入小麦の2026年10月期の政府売渡価格を決定。10月から5銘柄加重平均で12.0%引上げ、1t当たり70,020円とした。

【参考】【食糧】世界の小麦需給の動向 〜気候変動と小麦のサステナビリティ〜(2015年9月7日)

 日本は国内で販売されている小麦の82%を輸入で賄っています。日本の小麦輸入元は、2021年度から2025年度の平均で、アメリカが43.3%、カナダが40.0%、オーストラリアが16.7%で、この3ヶ国だけでほぼ100%を占めている。特に近年はカナダ産の割合が増えている。

【日本】農水省、小麦の政府売渡価格を12%引上げ。気候変動や貿易不安定化、円安の影響 2(出所)農林水産省

 日本では小麦の輸入は1995年までは政府の独占事業だったが、1994年にガット・ウルグアイラウンド農業交渉での貿易自由化により、1995年から関税を支払えば、誰でも輸入できるようになった。しかし、自由貿易による輸入小麦に対しては非常に高い関税が課されており、実態としては今でも輸入小麦455万tのほぼ全量が農林水産省による国家貿易のルートを通ってきている。

 国家貿易では、商社等が海外で買付け、その買付小麦の全量を農林水産省が日本に運搬し、農林水産省が買い取る。農林水産省の買取価格は、商社が購入した買付価格に、マークアップ(政府管理経費及び国内産小麦の生産振興対策に充当)と港湾諸経費分が上乗せされ、輸入事業者が確実に利益を確保できるようになっている。日本政府にとっては、小麦価格が大きく変動する国際市場の中で、小麦の国内流通価格を統制できるメリットがある。

 輸入小麦の政府売渡価格は、毎年4月と10月に改定され、6カ月間の買付価格の平均で算定することで、国際相場の変動等の影響を緩和し、国内の製粉会社等への政府売渡価格に反映されている。今回の価格は、新型コロナウイルス・パンデミックから回復した2023年4月期以来の水準で、上げ幅としては過去数年では最大となった。 【日本】農水省、小麦の政府売渡価格を12%引上げ。気候変動や貿易不安定化、円安の影響 3(出所)農林水産省

 小麦の国際市場価格では、国連食糧農業機関(FAO)の穀物価格指数は2026年8月に2.6%上昇し、前年同月比では15.0%増となっている。背景には、黒海地域の輸出物流の混乱が継続していること、高温乾燥な天候により欧州の一部地域で生産見通しが下方修正されたこと、そして米ドル安によりドル建ての輸出品の競争力が高まったこと等が挙げられている。日本にとっては、さらに円安の影響もある。

【参考】【国際】FAO、8月の食料価格指数が過去3年で最高値に。異常気象影響大きく需給逼迫(2026年9月9日)

【参照ページ】輸入小麦の政府売渡価格の改定について

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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