
サステナビリティ・サプライチェーン評価世界大手仏EcoVadisは7月15日、米国の売上10億米ドル以上の米国企業のエグゼクティブ400名を対象に、サステナビリティ動向を調査した報告書「The 2025 US Business Sustainability Landscape Outlook」を発表した。
調査結果では、企業がこれまで同様にサステナビリティを重視しつつも、対外的な発信を減らすグリーンハッシングの傾向が増加している変化を強調。経営陣は、特にESG規制の縮小によりサプライチェーンが混乱するリスクへの懸念がある中で、サステナビリティを競争力とレジリエンスを維持する手段と考える傾向が強まってきているとした。
同報告書では、5つの主要トレンドを特定。1つ目は、グリーンハッシングは増加しつつも、サステナビリティ関連投資は継続。調査対象の87%が2025年にサステナビリティ関連投資を維持または増加させていると回答。一方で、31%が投資を続けながらも対外的な発信を減らしていると回答。8%は対外的にコミットメントに関する情報発信を停止すると回答していた。サステナビリティ関連投資を実際に縮小したのは7%、優先度が低く最低限の対応のみと回答したのは6%だった。
2つ目は、サステナビリティを競争優位アジェンダと認識していること。65%が、サプライチェーンのサステナビリティがリスク低減、レジリエンスとブランド価値向上、サプライチェーンパフォーマンスやコスト削減を通じて成長を促進する競争優位であると回答した。顧客の獲得・維持に役立つとしたのは62%だった。財務責任者の52%も、サステナビリティが成長ドライバーであると認識している。
3つ目は、ESG規制の後退は、ビジネス上逆効果になる可能性があるとの認識。各部門の最高責任者の47%が、ESG規制の撤廃はサプライチェーンの混乱を増やすと回答。35%がESG規制の後退がESGデータの質を低下させ、説明責任を損ないサステナビリティの成果に悪影響を及ぼすと考えていた。さらに59%が不当労働や労働者虐待が増加すると予想した。
4つ目は、ESG規制への対応の難しさ。EUの企業サステナビリティ報告指令(CSRD)と炭素国境調整メカニズム(CBAM)、米カリフォルニア州の気候変動情報開示州法SB253、カナダの現代奴隷法の4つの規制全てに期限通りに対応できている企業はわずか13%だった。各規制ごとに、最大19%の対象企業がサプライチェーン上のESGデータの収集を開始しておらず、最大15%がESG規制のスケジュール変更を期待して様子を見ていると答えた。
最後は、データギャップ解消に向けたテクノロジー投資の加速。33%がコンプライアンスやマーケティング、投資家対応のために、正確でないと認識しつつ推定値に基づくESGデータを報告した経験があると回答した。しかし、大多数はテクノロジーによるギャップ解消を進めており、57%がESGリスク・マッピング・ツール、49%がサプライヤー向けESGエンゲージメント・プラットフォーム、34%がサプライチェーン・マッピング・ツール、32%が現地監査ツールを導入。今後12カ月で89%がさらなるテクノロジー投資を計画していると回答した。
【参照ページ】EcoVadis Study: 87% of U.S. Companies Quietly Boost Sustainability Spending Despite Regulatory Debate and Uncertainty
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