
厚生労働省は12月23日、「令和5年所得再分配調査」の結果を公表した。高齢化等により、再分配前の当初所得のジニ係数(所得格差係数)は過去最多の0.5855となり格差が拡大していることが明らかとなった。
同省は、概ね3年毎に同調査を実施。前回は当初2020年の調査が予定されていたが、新型コロナウイルス禍により2021年に実施されたため、2年ぶりの調査となった。調査は、福祉事務所の調査員による訪問調査で、オンライン調査や郵送調査も補完的に用いられた。調査の実施時期は、2023年7月13日から8月12日までで、所得データは2022年の状況が用いられているため、新型コロナウイルス禍の状況も反映される内容となっている。
今回調査では、世帯平均年当初所得額は、384.8万円で2年前から9.1%減少。社会保障や税による所得再分配を考慮した世帯平均再分配年所得は467.7万円で2年前から7.2%減少した。
(出所)厚生労働省
ジニ係数では、当初所得が0.5855で、2年前から0.0155ポイント増加。再分配所得のジニ係数は0.382で、2年前から0.0012ポイント増加した。ジニ係数は、値が0に近いほど平等(格差が小さい)、1に近いほど不平等(格差が大きい)となるため、当初所得と再分配所得の双方で格差が拡大している結果となった。所得再分配によるジニ係数の改善度は34.7%で2年前から1.6ポイント上昇した。
高齢化の影響を分析するため、年齢階級別構成割合が前回のものと同じになるようにウエイト付けをしてジニ係数を試算した結果、当初所得は0.5765で、2年前から0.0065ポイント増加にとどまり、再分配所得では0.3775で2年前から0.0038の減少となった。ジニ係数は、1996年には当初所得が0.4412、再分配所得が0.3606。再分配改善度は18.3%だった。
世帯主の年齢階級別データでは、平均当初所得が最も高いのは50歳から54歳で778.6万円。次いで40歳から44歳の693.3万円、35歳から39歳の686.8万円の順。
(出所)厚生労働省
【参照ページ】令和5年所得再分配調査
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