サステナブルなスマートシティの実現に向け、デンマークの首都コペンハーゲンでビッグデータを活用した官民共同の壮大なプロジェクトが始まった。
グローバルITコンサルティングの日立コンサルティングは3月10日、コペンハーゲン市のスマートシティ構想の核となる、ビッグデータプラットフォーム構築プロジェクトの事業パートナーに選定されたと発表した。コペンハーゲンはWorld Smart Cities Awards 2014にも選出されるなど、世界に先駆けたスマートシティの取り組みで知られているが、今回のビッグデータプロジェクトでは、コペンハーゲンにおいて行われているスマート電力や交通管理といった個々のスマートシティイニシアチブのデータを1つのプラットフォームに統合し、データ収集、統合、共有を一元化する世界初の取り組みとなる。
同プラットフォームでは、企業間による都市ビッグデータ取引市場の創設や、公共・民間データの統合を行う予定だ。具体的には、人口統計や犯罪統計、エネルギー消費量や空気質、交通量などセンサーから収集したデータを統合することで、エネルギー管理、交通管理、グリーンインフラ整備といった都市機能の向上に向けた先進的な分析が可能になる見込みだ。さらに、このデータ市場は企業の事業計画や新たな事業機会予測への活用も期待されている。
昨年コペンハーゲンに設立された日立ヨーロッパ・ビッグデータ・ラボに続き、日立コンサルティングにとってこのプロジェクトはビッグデータを活用した都市づくり支援の先駆事例となる。データ市場を通じてスマートウォンやウェブアプリ開発企業らに豊富なデータを提供することで、市民、企業、雇用、そしてコペンハーゲン市が大きな恩恵を受けることが想定されている。また、同プラットフォームはコペンハーゲンが掲げる「2025年までにカーボンニュートラルを実現する」という野心的な気候変動目標の一助にもなる。なお、同プロジェクトは2015年4月から開始され、プラットフォームと最初のパイロットアプリケーションは年内に完成する予定だ。
日立コンサルティングでソーシャルイノベーションビジネス担当上級副社長を務めるHans Lindeman氏は「我々はコペンハーゲンのような革新的で先進的な都市と協働できることを誇りに思う。我々は、公共と民間のデータ統合がもたらす広範なビッグデータ・デジタルインフラは、都市計画に新しい風を吹き込み、企業に利益をもたらし、市民の安全かつ快適で豊かな暮らしを支え、コペンハーゲン市の効率性を高めると信じている」と語った。
2050年には世界人口の70%が都市部に居住すると言われている中、大気汚染や電力消費、安全衛生といった様々な都市課題を克服し、どのように持続可能な都市づくりを実現するかが今世界の共通課題となっている。その解決の切り札として期待されているのがビッグデータの活用だ。今回のコペンハーゲンでの取り組みが成功し、大きな成果を残すことができれば、スマートシティとビッグデータ活用の先進的な成功事例として世界中が注目することになる。ぜひ今後のプロジェクトに期待をしたい。
【参照リリース】Hitachi Consulting awarded the opportunity to build Big Data platform for Copenhagen
【企業サイト】Hitachi Consulting
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