オーストラリアNGOマーケット・フォースは8月19日、JPモルガン・チェース、スタンダードチャータード、ドイツ銀行の3社が、豪カーマイケル石炭採掘プロジェクトを運営しているアダニ財閥のAdani Enterprisesに総額10億米ドル(約1,100億円)の巨額融資を7月21日に実施したと発表。3社の気候変動ポリシーと矛盾している二枚舌と批判した。
【参考】【韓国】サムスン証券、アダニ財閥の豪石炭関連プロジェクトへの融資を禁止。環境NGOの圧力(2020年7月21日)
今回の件は、アダニ・グループが、世界遺産グレート・バリア・リーフのあるアボット・ポイントに石炭積出港を建設するために進めているファイナンスに関するもの。同社は、今後2年以内に満期を迎える10億ドルの融資についてリファイナンス交渉を実施しているが、2017年に債券発行を引き受けていた南アフリカ銀行大手Investecが6月、同案件へのファイナンス禁止を表明。マイティー・フォースは、韓国の金融機関に矛先を集中し、サムスン証券は2020年に案件からの撤退を発表していた。
同NGOによると、カーマイケル石炭採掘プロジェクトに関しては、銀行から直接融資が難しくなり、そのため、アダニ財閥は内部資金で同プロジェクトでの必要資金を捻出。一方、3社の融資は、アダニ・エンタープライズ子会社のアダニ・エアポート・ホールディングスでのリファイナンスに充てられ、間接的にカーマイケル石炭プロジェクトの資金調達を実行したとみられている。
同NGOは、同プロジェクトが完成すれば、オーストラリア最大の炭鉱となり、大気中に数十億tの二酸化炭素を排出すると批判。さらに、現地のワンガン族とジャガリンソウ族の土地と文化を破壊、グレートバリアリーフを通過する船舶を増えることによる環境破壊することにもつながると反発している。
【参照ページ】Deutsche Bank, JP Morgan and Standard Chartered break promise and loan US$1 billion to Adani coal miner
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