韓国証券大手サムスン証券は7月16日、インドの新興財閥アダニ・グループがオーストラリアで進める石炭採掘・輸出プロジェクト「カーマイケル石炭プロジェクト」に関し、新規ファイナンスを禁止したと発表した。国際環境NGOマイティー・フォースが同社への非難キャンペーンを展開しており、それを受け入れた形。
今回の件は、アダニ・グループが、世界遺産グレート・バリア・リーフのあるアボット・ポイントに石炭積出港を建設するために進めているファイナンスに関するもの。同社は、今後2年以内に満期を迎える10億ドルの融資についてリファイナンス交渉を実施しているが、2017年に債券発行を引き受けていた南アフリカ銀行大手Investecが6月、同案件へのファイナンス禁止を表明。マイティー・フォースは、韓国の金融機関に矛先を集中し、同案件からの撤退を迫っていた。
韓国の金融機関では、韓国工業銀行、サムスン証券、ハンファ投資証券、韓国投資証券、ミレーアセット大宇の5社が、アボット・ポイント積出港建設プロジェクトに多額の融資をしている。7月16日には、サムスン証券が同プロジェクトの債務1.2億ドルを購入したことも明らかとなっていた。しかし同日夜、マイティー・フォースに対し、同案件が環境破壊リスクが高いことを知らなかったことと、今後、アダニ財閥が進める石炭関連プロジェクトへのファイナンスを禁止したことを伝える書簡を送った。
今回の事案では、7月15日に、オーストラリアの若者15人が、シドニーのサムスン電子ストア前で抗議活動を展開。グループ企業のサムスン電子にまで影響が飛び火していた。
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