米大統領府(ホワイトハウス)は3月4日、バイデン大統領の「メイド・イン・アメリカ」政策の具体策を発表した。公共調達で、米国産製品の購入を重視する。国際貿易法との整合性も強調した。
バイデン大統領は、2021年の大統領就任直後に、メイド・イン・アメリカ政策を掲げ、インフラ投資・雇用法を成立させ、大統領府にメイド・イン・アメリカ室を設置。省庁横断のメイド・イン・アメリカ委員会も創設している。連邦政府機関の年間の公共調達額は6,000億米ドル(約70兆円)以上。
今回発表のアクションでは、公共調達基準において、「米国産」と認定される構成部品の国産品価額割合を引き上げる。具体的には、現在55%の基準値を、2022年中に60%、2024年に65%、2029年に75%に引き上げる。これにより、サプライチェーンの米国化を後押しする。中小企業やその従業員にも恩恵があるとしている。
同目標の達成に向け、政府が積極的に国内製造事業者のキャパシティビルディングにも乗り出す。中小企業庁は、連邦政府機関の各調達部門に「製造業室」の設置を促し、新たに国産化できる国内製造業企業の発掘を進める。また、バイデン大統領は同日、重要なサプライチェーンを強化するための大統領令に署名し、価格優遇措置を受けられる品目を政府が決められるようにした。品目としては、半導体、電気自動車(EV)、バッテリー等をおいているとみられる。パンデミックに備えた医療用品・医療機器も含まれる可能性がある。
今回の発表では、同日にバイデン大統領とシーメンスUSAのバーバラ・ハンプトン社長兼CEOが、シーメンスの米国内生産拡大で5,400万米ドルを投資する計画を同時に発表。EV充電スタンド、データセンター、電気インフラの製造で米国で300人の雇用を創出することを誇った。
また、米国企業でも、インテル、GM、ボーイング、MPマテリアルズが、米国内に製造を回帰させ、投資と生産を拡大し、雇用を創出することも伝えた。
【参照ページ】FACT SHEET: Biden-Harris Administration Delivers on Made in America Commitments
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