インド政府は7月1日、インド国内で生産された海外輸出用燃料に対する新規課税を発表した。インフレ抑制のために削減した燃料税歳入の代替とするとともに、国内向けの石油を確保することが狙い。インド石油ガス公社(ONGC)、オイル・インディア(OIL)、リライアンス・インダストリーズ、ナヤラ・エナジー党が大きな打撃を受ける。
インドでは、昨今のエネルギー価格の高騰により、国内のガソリンやディーゼルの価格が高騰。さらに、欧米や日本によるロシアへの経済制裁より、ロシア産原油の行き場がなくなる中、インド企業が割安のロシア産原油を購入し、海外に輸出する動きが拍車をかけ、インド国内へのガソリン及びディーゼルの供給に懸念が生じていた。
今回の発表では、7月1日からガソリンとジェット燃料(ATF)の輸出に1l当たり6ルピー、ディーゼルの輸出に1l当たり13ルピーを課税。さらに、国内で生産された原油には1t当たり23,250ルピーを課税したこれにより、価格高騰で潤うインド企業からの税収増を図る。タルン・バジャジ財務省歳入担当次官は7月4日、世界の原油価格が1バレル40米ドルを下回るまで、同課税を続けると話している。政府関係者によると、これらの課税により、合計で7,200億ルピーの歳入増となり、政府がガソリンとディーゼルの燃料税減税で失った歳入の85%以上をカバーできるという。
さらに、2023年3月31日に終了する会計年度において、ガソリンやディーゼルの輸出企業に対し、ガソリンは海外販売量の50%相当を、ディーゼルは海外販売量の30%を、国内市場で販売することも義務付けた。但し、リライアンスの輸出専用精製場だけは義務の対象外となった。
関係者によると、インドでは、4月から5月にかけて、ガソリンが250万t、ディーゼルが570万t、ATFが79万7,000tが海外に輸出。仮にこれらの数量が今回の決定で3分の1に減少したとしても、2023年3月まで課税が継続されれば、政府は2,000億ルピー以上歳入増になるという。
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