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【国際】国連環境計画、砂サステナビリティの第2弾報告書発表。砂の危機を認識すべき

 国連環境計画(UNEP)は4月26日、砂資源のサステナビリティ強化に関する報告書を発表した。危機を回避するための、10の戦略的提言を示した。

 砂資源は、生態系サービスの提供、生物多様性の維持、経済発展の支援、コミュニティ内での生計の提供において戦略的な役割を担っている。一方、砂資源の抽出、調達、使用、管理は、世界の多くの地域でほとんど規制されておらず、環境と社会の双方の観点からサステナビリティが懸念されてきている。

 砂資源のサステナビリティに関しては、2014年にジュネーブ大学のパスカル・ペデュッチ教授が著名な論文を発表。世界中で砂が建材の骨材として急速に採掘されており、地形にも大きな影響を与えてきていると警鐘を鳴らした。ペデュッチ教授もプロジェクトに参加している国連環境計画も、2019年の第4回国連環境総会(UNEA4)に合わせ、報告書を発表。今後地球人口100億人の需要を満たすために必要な供給量を地球は供給できないにもかかわらず、問題が見過ごされていると伝えた。

 国連環境計画は、砂資源を重要な鉱物資源の一つとして扱い、持続可能なインフラ分野とも組み合わせる形でアジェンダ形成を図っている。2019年の第4回国連環境総会(UNEA4)では「鉱物資源ガバナンス」「持続可能でレジリエントなインフラ」が決議。2022年の第5回国連環境総会(UNEA5)では、鉱物・金属マネジメントの環境基準を強化することを謳う決議も採択されており、砂資源をこれらのアジェンダに組み込もうとしている。

 今回の報告書は砂資源のサステナビリティに関するUNEPの報告書第2弾。対策提言編となっている。10の戦略的提言のうち1から3は、まず、砂資源の重要性と課題を認識することからはじめ、解決に向けた場所を軸としたアプローチと、意思決定におけるすべての人々の参加とインクルージョンを謳った。そして、リジェネラティブでサーキュラーエコノミーを砂資源でも実現することを提唱した。

 提言4と5では、制度と法構造を扱い、地域、国、地区毎の法規制を整合させ、効果的な鉱物所有権とアクセスの枠組みを整備することで、適切な商業メカニズム型の費用回収制度を確立すべきとした。

 提言6から10は、砂資源のマネジメントを提示。砂資源のマッピング、モニタリング、報告から、ベストプラクティスや国内基準、一貫した国際的枠組みの構築、砂の代替となる新しい方法の革新と実験の促進、責任ある調達、生態系の回復と残存損失の補償につながる知識と実践等を盛り込んだ。

【参照ページ】Sand and Sustainability: 10 Strategic Recommendations to Avert a Crisis
【参照ページ】Sand and Sustainability: Finding New Solutions for Environmental Governance of Global Sand Resources
【参照ページ】Sand, rarer than one thinks

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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