中国の服飾産業もサステナビリティの取り組みを加速化している。世界の小売大手や大手メーカーが結集する連合体「サステナビリティ・コンソーシアム」(TSC)は6月11日、南京大学及び蘇州市呉江区環境保全局とともに、江蘇省蘇州市において持続可能な製品に関する実践セミナーを実施した。蘇州市呉江環境局の副局長、江蘇省環境科学研究院の専門家、印染、製衣、紡績等サプライチェーンの製造企業など、60名あまりの代表者がセミナーに参加した。
中国は紡績品衣類の生産及び輸出で世界最大の国。その中でも、江蘇省は中国全体の20%を生産量を誇り中国一の規模。紡績衣類領域の持続可能なサプライチェーンの構築は地域の長期発展に欠かせない。TSCの発起人でもあるウォルマート基金の支援も受け、TSC及び南京大学は中国サプライヤー向けのサステナビリティ能力向上プログラムを正式に開発することとなった。
TSCは江蘇紡績集団を始め、紡績衣類業の研究(綿の植え付けから最終製品形成までの一連のサイクル)の現地化を推進し、水消費量及びエネルギー消費量の改善や、汚染の削減のための解決策構築に取り組んでいる。TSCで中華圏を統括する周衛東氏はセミナーの中で、TSCが開発したツールや南京大学の研究成果を活用することで、服飾企業はエネルギー消費量と環境汚染を抑制するための自己評価ツールを整えることができ、最先端の事例から新たな機会を見出し、同時に生産コストの削減にもつなげらえると紹介した。セミナーの中では、その他、関連の学術団体や企業代表者に対して事例や先進技術を紹介するよう要請し、マッキンゼーのRedE(The Resource Efficiency Deployment Engine)手法や、江蘇省環境保全科学院の紡績業の汚染物廃棄政策や技術なども紹介された。
TSCと南京大学は中国サプライヤーのサステナビリティ向上に向けて、今後関連の団体と連携を図り、紡績、電子、玩具、日常用品など業界の主要サプライヤー及びメーカー向けの教育訓練を継続的に実施する予定だ。
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