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【中国】中国工商銀行、2014年度社会責任報告書を発表

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 総資産高世界最大の銀行、中国工商銀行(ICBC)は今年3月、2014年度の「社会責任報告書(CSR報告書)」を発表した。今年で8回目となる。報告は実体経済促進、サービス体験向上、地球生態系、信用強化、社員成長への関心、貧困援助などの方面からICBCの業績をまとめた。中国初の国連グローバル・コンパクトに署名した商業銀行として、ICBCは2014年度も数々のCSR関連で表彰された。

 ICBCは、積極的に新たな中国経済構造に対応し、実体経済発展を支持する効率と能力を高めつつある。ICBCは2014年末まで総計110,263億元貸し出し、昨年末より11,040億元増加させた。その内、エネルギー、輸送、機械製造及び貿易物流の業界へのローンは昨年に比べ2,882億元増えた。また小規模企業の融資ニーズを優先的に応え、177,533社の小企業に13,825億元貸し出した。農業助成政策も強化、農民向けの金融サービスを展開し、現地商業と漁業の発展も促した。個人向けローンも3,099億元貸出、社会保障住宅の建設プログラムへの貸出も322億元にのぼった。

 サービス体験向上の側面では、サービス対応改善と監督管理強化によって、顧客満足度を満足比率98.41%にまで伸ばした。具体的な施策としては、顧客ごとのサービスラインの整備やオンラインサービスの導入によって業務効率を上げていく。さらに、ICBCは中国企業のグローバル化に協力するため、海外147国で1,809社の銀行と代理店関係を築き、ICBCの業務をアジア、アフリカ、南アメリカ、北アメリカ、ヨーロッパとオーストラリアの六大陸に広げた。他方、地球生態系対応においては、ICBCは新しい業界信用貸付け政策を公表。環境と安全衛生面での違反企業や、生産設備が老朽化している企業にリスク警告を出し、エネルギー使用量が過剰に多い業界への貸出を減らし、エコ経済分野での6,552億元に及ぶ積極的貸出を通じて、ICBCは行動面で「エコ中国」を促進した。

 業界全体の信用構造を健全化していくため、消費者権益保護制度を構築し、様々な教育イベントで消費者の金融知識水準の向上を図った。同時に、サービス価格表を更新し、合理的な料金とモデルオペレーションを可視化した。従業員満足度の向上でも、雇用創出だけでなく、社員への社会保険や企業年金などを改善、休暇制度も整え、社員が休暇を取る権利を行使できるよう職場環境の改善も実施した。その他、公益事業として、チャリティー活動にも5,086万元を投じた。

 中国工商銀行は、中国最大、世界最大の銀行として影響力の大きな銀行だ。資産総額、貸出額、収益性といった財務情報だけでなく、自社が果たすべき社会への価値創出を定義した上でそれに対しての定量的な測定を行っていることは、世界の中でも先進事例と言える。ICBCは事業の中心が中国大陸に大きく傾斜しており日本での知名度は高くないが、着実にサステナビリティ報告の力を上げてきている。

【企業サイト】中国工商銀行

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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