不動産企業・運用機関のサステナビリティ・環境配慮に関する国際ベンチマークのGRESB(グローバル不動産サステナビリティ・ベンチマーク)は6月3日、不動産業界向けのグリーンボンド・ガイドライン"Green Bond Guidelines for the Real Estate Sector"を公表した。
同ガイドラインはグリーンボンドに関する国際原則のGreen Bond Principles(グリーンボンド原則)を補完するもので、グリーンボンドの組成や投資に関わる市場参加者らに対し、不動産・建設業界に特化したガイダンスを提供している。不動産関連グリーンボンドの成果を明確にするための説明と指標を求める投資家らの要望に応えて作られた。GERSBはガイドラインの策定にあたり、大手機関投資家や大手上場不動産会社、グリーンボンド発行者、各国のグリーンビルディング認証機関など様々な専門的知見と助言を取り入れた。
2014年には世界のグリーンボンド発行額は前年の約3倍となる366億米ドルに増加しており、2015年には更に1000億米ドルに達すると見込まれている。不動産業界では現在までに5社の大手上場不動産会社がグリーンボンドを発行しており、5社全てがGRESBのベンチマークに参加している。
同ガイドラインは、不動産業界の慣例に沿う形でグリーンボンドの組成から満期にいたるまでの報告コンセプトや時期、成果測定法などを定めており、2015年のグリーンボンド原則の中で示されている各種グリーンボンドにも適用可能な内容となっている。債権発行者や引受人、投資家らはこのガイドラインを活用して適格性のある環境プロジェクトを見定め、適切な評価方法を定め、報告内容を決定することができる。
GRESBのCEOを務めるNils Kok氏は「グリーンボンドは不動産業界にとって魅力のある、新しいタイプの資本だ。その市場は拡大しており、開発者や経営者、投資家のみならず、環境にも利益をもたらす。環境への影響とリンクした新たな資金調達の手段として、世界の不動産業界のサステナビリティをさらに拡大する可能性を秘めている」と述べた。
グリーンボンド市場の健全な発展のためには、市場の基準づくりや評価の透明化、投資家と発行者らとをつなぐ適切な報告、コミュニケーション手段の確立などが欠かせない。今回GRESBが発行したガイドラインにより、不動産業界においても更にグリーンボンド市場が活性化することを期待したい。
【ガイドラインダウンロード】Green Bond Guidelines for the Real Estate Sector
【参照リリース】GRESB Introduces Green Bond Guidelines for the Real Estate Sector
【団体サイト】GRESB
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