【国際】2020年までに53ヶ国がCO2排出量減少に転じる。パリ協定達成は黄色信号。WRI分析 2017/11/14 最新ニュース

 国際環境NGO米世界資源研究所(WRI)は11月3日、二酸化炭素排出量が減少に転じた国数と時期や、将来的にピーク時を設定するコミットをしているかを評価したレポート「Turning Points: Trends in Countries’ Reaching Peak Greenhouse Gas Emissions over Time」を発行した。

 すでにピークに達した国は、1990年に19ヶ国、2000年に33ヶ国、2010年に49ヶ国。さらに、2020年には53ヶ国、2030年には57ヶ国がピークに達すると推測される。これらピークに達した国が世界全体の排出量に占める割合は、1990年に21%、2000年に18%、2010年には36%に達しており、2010年の排出データを基に換算すると、2020年には40%、2030年には60%になると推測されている。


(出所)WRI

 今回の分析によると、米国は2007年にピークを迎えている。一方、2014年の排出量が128億tに達し世界全体の20%以上を排出していた中国は、国別約束草案(INDC)として2030年までにピークに達する事を目標として掲げている。日本のINDCは2020年をピークとしており、2020年から2030年の間に、2013年比で26.0%(約10億4,200万t)削減を目標としている。環境省のデータによると、日本の排出量は2012年に13億4,300万t、2013年に14億800万t(前年比1.2%増)、2014年に13億6,400万t(前年比 3.1%減)、2015年には13億2,500万t(前年比2.9%減)。2016年、2017年のデータはまだ発表されていないが、減少を続けた場合は、2013年にピーク時を迎えたということになる。しかしこの2013年時点では、世界の排出量の2.6%を占めており、さらなる減少に向けたコミットメントが欠かせない。

 以上のような状況にもかかわらず、現時点での世界全体の排出量は、地球の気温上昇を産業革命以前と比較して2℃を下回り、さらに1.5℃を目標に努力するというパリ協定を遵守するには不十分であり、温暖化が進行している。温暖化を1.5℃から2℃に制限できるかどうかは、ピークに達した国の数だけでなく、これらの国の排出量が世界全体の排出量に占める割合やピークのタイミング、さらにはピーク後の排出削減率にかかっている。各国が可能な限り速やかに、低い排出量レベルでピークにするためのコミットメントを設定しかつ達成することは、大きなインパクトを及ぼす。

 全体的には、仮にカーボン・バジェット(これまでの排出量プラス今後の排出量の累計)が年間600Gtで、2016年でピークを迎えていたとすれば、排出量をゼロにするまでに25年間の猶予期間があり、経済への過剰な影響が避けられる。しかしカ―ボン・バジェットが年間800Gtまで増大し、かつピークが2020年にまで遅れる場合は、ピーク以降の脱酸素化レベルが減少し、目標達成が困難になるという。

【参照ページ】Turning Points: Trends in Countries’ Reaching Peak Greenhouse Gas Emissions over Time
【参照ページ】環境省:日本の温室効果ガス排出量の算定結果
【レポート】Turning Points: Trends in Countries’ Reaching Peak Greenhouse Gas Emissions over Time

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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