【国際】世界銀行、「世界の富の推移2018」発表。ストック概念で141ヶ国の富を分析 2018/02/05 最新ニュース

 世界銀行グループは1月30日、「世界の富の推移2018(The Changing Wealth of Nations 2018)」を発表。世界の富は、過去20年間で大幅に増加したものの、24ヶ国では一人当たりの富が減少または伸び悩んでいると分析した。同報告書は、富を、従来のGDPではなく、自然資本(森林や鉱物)、人的資本(生涯にわたった所得)、生産された資本(建築物やインフラ等)、対外純資産の合計と定義。新たにストックの概念を用いて141ヶ国を分析した。1995年から2014年の20年間分の公開データを用いた。

 同報告書によると、世界の富の合計は過去20年間で66%増加。690兆米ドルから1,143兆米ドルに増えた。しかし、格差は大きく、高所得のOECD諸国の一人当たりの富は低所得諸国の52倍となっている。一人当たり富の減少も、低所得の大国や、化石燃料への依存度の高い中東諸国、2009年の金融危機の影響を受けたOECD諸国で確認された。一人当たりの富の減少は、未来の所得の減少を意味し、通常のGDP統計では見えてこない示唆を得た。

 1995年に低所得国とされた52ヶ国のうち、28ヶ国は中所得国へ移行。これらの国は、自然資本の活用に成功し社会的インフラや人的資本を増加させた。一方、低所得国のままでいる残り24ヶ国のうち、12ヶ国は資源リッチ、8ヶ国は破綻国家に分類される。しかしながら、成長が自然資本を枯渇させることと同意ではない。通常人々が抱く「自然資本を枯渇させての成長」という認識と真逆に思えるが、実際、OECD諸国では、一人当たり自然資本は低所得国の3倍あり、富全体に占める割合は3%にすぎない。

 世界の自然資本の価値は。1995年からの20年間で2倍に増加している。大きいのはコモディティ価格の増加や、資源の確認埋蔵量の増加。一方で、生産林の価値は9%減少した一方、農地の価値は増加した。

 世界銀行は、過去2006年と2011年にも同様のレポートを出しているが、人的資本の考えを取り入れたのは今回が初めて。世界全体での富の配分は、人的資本が3分の2、生産された資本が4分の1、自然資本は10分の1。人的資本の割合が非常に大きい。人的資本は個人が生涯に渡って得る所得を測っており、教育や健康などの要素も考慮される。女性が世界の人的資本に占める割合は40%にとどまり、男女格差をなくすことで人的資本は18%増加すると分析された。
但し、国毎に構成比は大きく異なり、低所得国では自然資本が47%、低中所得から中所得国では25%を占める。

 同報告書は、WAVES(生態系サービスの経済的価値評価)パートナーシップとGlobal Partnership for Education(教育のためのグローバル・パートナーシップ)が部分的に資金拠出し、作成された。

世界の一人当たり富ランキング2018

  1. ノルウェー
  2. カタール
  3. スイス
  4. ルクセンブルク
  5. クウェート
  6. オーストラリア
  7. カナダ
  8. 米国
  9. デンマーク
  10. アイスランド

【参照ページ】World Bank Report Finds Rise in Global Wealth, but Inequality Persists
【報告書】The Changing Wealth of Nations 2018

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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