金融世界大手英スタンダードチャータードは4月13日、ベトナム北部タインホア省での大規模石炭火力発電所建設計画「ギソン2(Nghi Son 2)石炭火力発電所」への融資を撤回したことが判明した。同社の気候変動ポリシーに反すると判断した模様。同発電所建設は丸紅と韓国電力公社(KEPCO)が主導している。
同発電所は設備容量1.2GW。建設コストは23億米ドル(約2,500億円)で、約半分を丸紅とKEPCOが折半出資し、残り約半分を銀行からシンジケートローンで調達すると見られている。2017年11月にはベトナム国営電力公社(EVN)との間で25年間の電力購入契約を23億米ドルで締結。2021年の発電開始を予定している。しかし、導入予定の超臨界圧技術が古いタイプのため二酸化炭素排出係数が他のベトナムの石炭火力発電所と比べて2倍と高く、気候変動への懸念が指摘されていた。
今回のスタンダードチャータードの融資撤回は、シンジケートローン契約締結完了に関する同日の発表の中に、当初シンジケートローンに加わっていた同行の名前がなかったことで発覚。同社も融資から下りた事実を認めている。最終的に結ばれたシンジケートローンは18億6,900万米ドル(約2,030億円)で、参加したのは、国際協力銀行(JBIC)、韓国輸出入銀行(KEXIM)、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、新生銀行、OCBC(華僑銀行)、DBS(シンガポール開発銀行)、マレーシアMaybank。民間金融機関の融資部分に対しては、JBICとKEXIMがポリティカル・リスクに関する債務保証を供与する。
【参照ページ】ベトナム社会主義共和国ギソン2石炭火力発電事業に対するプロジェクトファイナンス及びポリティカル・リスク保証
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