投資運用世界大手米ブラックロックは6月下旬から7月上旬にかけ、英国の年金基金を主な販売先とするESG型投資信託を2本新規発表した。英国の年金基金は、まずますESG投資への需要が増しており、ブラックロックはESG型ファンドを投入することで、英国での事業拡大を狙う。年金基金では、確定給付(DB)型と確定拠出(DC)型の双方を対象にするという。
今回新設したファンドは、「BlackRock ACS World ESG Equity Tracker Fund」と「BlackRock ACS World Multifactor ESG Equity Tracker Fund」。いずれも、ESGスコアでのウエイト調整、気候変動対応でのウエイト調整、ネガティブスクリーニングの3つを併用している。ブラックロックは2017年12月、気候変動を考慮した「BlackRock ACS Low Carbon Equity Tracker Fund」を先んじて投入していた。
BlackRock ACS World ESG Equity Tracker Fundは、6月28日に設定。ユニバースのMSCI Worldに比べ、ESGスコアが50%以上、カーボンエクスポージャーが50%以下になるよう銘柄とウエイト調整されている。また、地雷等の問題性のある兵器、民間武器、たばこ、国連グローバル・コンパクト(UNGC)違反、ESG関連不祥事、一般炭(石炭)関連の銘柄は除外されている。ベンチマークは、MSCI ESG Focus Low Carbon Screened Index。
BlackRock ACS World Multifactor ESG Equity Tracker Fundは、7月11日に設定。クオンツ運用で重視される「モメンタム」「クオリティ」「サイズ」「バリュー」でのリターンアップを狙いながら、ESGスコアを20%増加、カーボンエクスポージャーを20%減少できるように設計されている。また同様に、地雷等の問題性のある兵器、民間武器、たばこ、国連グローバル・コンパクト(UNGC)違反、ESG関連不祥事、一般炭(石炭)関連の銘柄は除外されている。ベンチマークは、MSCI World Select Multiple Factor ESG Low Carbon Target Index。
また、今回の2ファンドは、英国で2012年に立法で制度化された「税透明ファンド」のスキームを活用し、契約型投資信託で設定されている。同スキームでは、ファンドレベルでの課税が免除される。英国は、ルクセンブルクやアイルランドが免税ファンド制度を先駆けて制度化し、ファンド設置国として成功したことに危機感を抱き、同様のスキームを設定。ブラックロックは現在、同スキームでのファンドを12本設定しており、運用資産総額は約510億ポンド(約6.9兆円)。
【ファンド】ACS World ESG Equity Tracker Fund
【ファンド】ACS World Multifactor ESG Equity Tracker Fund
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