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【EU】欧州議会、「気候非常事態宣言」を賛成多数で採択。気温上昇1.5℃へのコミットを欧州委に強く要請

 欧州議会は11月29日、欧州及びグローバルで「気候・環境非常事態」を宣言する決議を、賛成429、反対225、棄権19の賛成多数で採択した。欧州委員会に対し、全ての法規制や予算を気温上昇を1.5℃に留める目的と整合することを担保するよう期待するとした。決議には法的拘束力はない。

 また欧州議会は別の決議で、EUとして2050年前のなるべく早いタイミングでカーボンニュートラルを実現する戦略を、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局に提出することも促した。また、12月1日に着任したウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長に対しても、2030年までに二酸化炭素排出量55%削減する目標を、新政権の「欧州グリーンディール」政策の中に入れるよう要求した。

 欧州議会は、航空と海運は、必要な二酸化炭素排出量削減を実現できていないと指摘。全ての国は、これまで国際的に対象外として扱われてきた国際線と国際海運を国別自主的削減目標(NDC)の対象に加えるべきと話した。また、欧州委員会に対し、海運業界をEU排出量取引制度(EU-ETS)の対象に加えるべきとも提案した。さらにEU加盟国は、国連が運営する「緑に気候基金(GCF)」に対する出資金を2倍に増やすべきとした。パリ協定が採択された2015年のパリ会議で先進国が約束した2020年までに1,000億米ドルの途上国向け資金援助が達成されていないことも問題視した。

 そして、欧州議会は、2020年までに直接的及び間接的な化石燃料に対する補助金を段階的に廃止することも促した。

 EUでは、欧州委員会は2018年11月、2050年までに二酸化炭素ネット排出量をゼロにする政策を採択した。しかし、加盟国閣僚で構成するEU理事会は、同採択を未だ支持していない。ポーランド、ハンガリー、チェコの3ヵ国が反対しているため。

【参考】【EU】欧州委、2050年までにCO2純排出量ゼロの長期戦略方針採択。2019年欧州理事会での合意視野(2018年12月3日)

【参照ページ】The European Parliament declares climate emergency
【政策】欧州グリーンディール

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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