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【イギリス】政府、小型原子力発電の技術開発に54億円の助成金。競争力向上とCO2削減、雇用創出

 英ビジネス・エネルギー・産業戦略省は7月10日、次世代原子力発電のR&Dや製造の分野に合計4,000万ポンド(約54億円)の助成金を発表した。そのうち、先進モジュラー炉(AMR)のプロジェクト3件に、各々1,000万ポンドを支給し、AMRを重視する姿勢を鮮明にした。

 英国政府は、2013年3月に「原子力産業戦略」を策定。その中で小型原子力発電とも呼ばれる「小型モジュール炉(SMR)」を推進していく立場を表明し、次世代原子力発電の開発をリードする国の一つとなっている。小型モジュール炉は、一次冷却に加圧水または沸騰水を使用する従来型の大型原子力発電とは、原理が大幅に異なる発電手法で、サイズも非常に小型。そのため制御をしやすく一般的な原子力メルトダウンは、原理的に起きないとも言われている。AMRは、SMRを実現するために研究が進んでいる先進的なモジュール炉のことを指す。

 今回の支援策では、オックスフォードシャー州のトカマク・エナジー、ランカシャー州のウエスチングハウス、チェシャー州のU-Batteryが進めているAMRプロジェクト3件に対し、総額3,000万ポンドの予算を付けた。残りの1,000万ポンドは、その他の先進的な原子力発電関連のプロジェクトに支給した。

 英国政府は、原子力発電産業は、2050年までに96億ポンドの経済効果と、13万人の雇用創出効果があると見立てている。今回の助成でも、11件に対する1,000万ポンドの助成で最大200万人の雇用が創出できる見込み。

 英国政府は、2050年までに二酸化炭素ネット排出量(カーボンニュートラル)を実現することを法定目標としており、原子力発電もその一つと位置づけている。但し、SMRの実現までにはまだ多くの研究開発が必要となっている。原子力発電については、依然として普及には否定的な見方もあるが、SMRについては、米国でも研究開発が積極的に進められている。OECD(経済協力開発機構)は、2020から2035年に建設される原子力発電のうち最大で9%がSMRになるとの予測も出している。

【参照ページ】£40 million to kick start next-gen nuclear technology
【参照ページ】Nuclear innovation programme: advanced manufacturing and materials competition, Phase 2 - successful projects

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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