
欧州・中東・アフリカ業界団体のローン市場協会(LMA)は7月、データセンターへのファイナンスの手法が多様化している状況を整理したレポートを発表した。市場参加者が、変化し続けるファイナンス手法、貸し手の要件、及びリスク配分を明確に理解することの重要性を説いた。
同レポートでは、まず、データセンターの市場環境について、クラウドサービス、デジタル事業、データ活用を支える基盤であり、生成AIを含むAI向けの計算需要が急増したことで、必要とされる容量と投資額が一段と拡大していると認識。2030年までに世界で約6.7兆米ドルのデータセンター投資が必要となり、その15%から25%程度を欧州・中東・アフリカ地域が占める可能性があるとした。
また、データセンターは土地・建物という不動産の性格、長期的かつ安定した収益を生むインフラの性格、さらに技術需要への成長性を併せ持つため、スポンサー、インフラファンド、機関投資家等から幅広い関心が寄せられていると伝えた。
データセンターの資金の出し手は、黎明期の1990年代後半から2000年代初頭には、施設の規模は比較的小さく、特定の企業による自社利用が中心だったため、スポンサーの貸借対照表、企業向け融資、土地・建物を担保とする一般的な不動産融資が主に用いられていた。
しかし、2006年のAmazon Web Services(AWS)登場が転機となり、2010年代には企業が自ら設備を所有する形から、専門事業者が大規模な施設群を開発・運営する形へ移行した。その結果、長期契約を結ぶ信用力の高いハイパースケール事業者が主要顧客となり、収益の予見可能性や運用実績に関する情報が向上したことで、銀行はデータセンターを独立した融資可能なアセットクラスとして評価するようになった。この動きは、米国で先行し、欧州では2020年代に入ってから大型案件と高度なストラクチャーが急速に普及している模様。
現在の欧州市場については、開発段階、契約状況、顧客構成、技術リスクに応じて多様なファイナンス手法が使い分けられていると解説した。不動産融資は、顧客契約がまだない土地取得や初期開発、一定の事前賃貸がある単独施設に適しており、収益よりも資産価値とスポンサーの信用力が重視される。これに対し、大規模施設では、…
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