米カリフォルニア州のギャビン・ニューサム州知事は9月29日、山火事の危険性が高い地域の建物に対し、防災区域設定の要件を強化する一連の州法案に署名。同州法が成立した。山火事リスクが高い地域を指定した上で、建物敷地の内側5フィート(約1.5m)以内を「延焼抑止区域」とし、残り火による延焼を避けるため、防災区域内には家財等を何も置かないことを義務付けた。
同州では近年、気候変動を原因とする大規模な山火事が頻発する状況となっており、火災対策が急務。今年も10万人以上が避難を強いられる山火事が複数箇所で同時発生しており、ついに不動産にも延焼防止基準が設定されることとなった。
【参考】【アメリカ】カリフォルニア州大規模山火事、すでに61万haの森林を焼失。10万人以上が避難(2020年8月26日)
同州知事は、新型コロナウイルス・パンデミックの状況でも、山火事の減災・防災への資金拠出を削減指定はいけないと判断し、消防士を新たに858人採用する等の消防対策を強化している。他にも、カリフォルニア州電力大手PG&E(パシフィック・ガス&エレクトリック・カンパニー)を対象に、電源遮断に対する監視権限も強めるとともに、民間電力会社に対し、送電網を細かくオフライン制御できるようにするため総額50億米ドルの設備投資を求めた。
今回設定した防災区域は、延焼を止めることに加え、カリフォルニア州森林保護防火局の消防士の安全を守ることにもつながり、地域コミュニティの山火事防災計画にも資するという。
【参照ページ】In the Midst of the Worst Wildfire Season on Record, Governor Newsom Signs Legislation to Bolster State's Wildfire Preparedness and Response Efforts, Protect High-Risk Communities
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