化粧品世界大手仏ロレアルと仏エネルギー大手トタル、米カーボンリサイクルLanzaTechの3社は10月27日、工場で排出された二酸化炭素を回収した炭素とする世界初のプラスチック製容器を生産したと発表。ロレアルが化粧品用容器として活用する。回収した炭素で素材を生産するタイプのカーボンリサイクルとしては極めて最先端のアクションとなった。
LanzaTechは、二酸化炭素、一酸化炭素、水素等の気体を微生物が入った空間に注入し、発酵反応によってエタノールや他の化成品を作り出す技術を持つユニークな企業。エタノールからは、プラスチック素材の他、バイオ燃料等も作り出すことができる。現在、気体からエタノールを作り出す技術を商用化させることに成功しているのは世界でLanzaTechのみという。
今回の生産フローでは、まずLanzaTechが、産業による二酸化炭素を回収し、独自のバイオテクノロジーでエタノールに変換。同エタノールは、トタルがIFP Axensと共同開発した脱水プロセスによりエチレンに変換され、従来型の化石燃料原料と同様の特性を持つポリエチレンに重合。その後、ロレアルが製品容器として同ポリエチレンを使用する。
3社は今後、量産化体制に入る。他の企業からの参画も歓迎する。
カーボンリサイクル技術では、LanzaTechが世界をリードするが、9月には同社も含む欧州企業11社が「リニューアブル・カーボン・イニシアチブ」を発足し、Core Advosiry Boardを形成。他には、ユニリーバ、ネステ、UPM、ヘンケル、Beiersdorf、Cosun Beet Company、Covestro、Lenzing、SHV Energy、Stahlが参画した。発足は独nova-Instituteが主導した。
【参照ページ】LANZATECH, TOTAL AND L’ORÉAL ANNOUNCE A WORLDWIDE PREMIERE: THE PRODUCTION OF THE FIRST COSMETIC PLASTIC BOTTLE MADE FROM INDUSTRIAL CARBON EMISSIONS
【参照ページ】Launch of Renewable Carbon Initiative
【画像】LanzaTech
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