中国の国営研究機関・中国科学院「合肥物質科学研究院」の下部組織である原子力安全技術研究所は12月4日、国内最大の核融合研究装置「中国還流器2号M(HL-2M)」の初稼働に成功した。同施設は、2019年12月に四川省で完工しており、中国では「人工太陽」と呼ばれている。
今回の研究装置は、トカマク型の核融合炉。トカマク型は、プラズマ閉じ込め方式の核融合技術で、将来の核融合技術の最有力候補と目されている。国際熱核融合実験炉ITERも、トカマク型を採用。ITERには日本、米国、EU、ロシア、韓国、中国、インドが参画しており、2025年にフランスで完工する予定。中国はHL-2MとITERを連携させてプロジェクトを進めていく考え。
HL-2Mは、強力な磁場で高温プラズマを発生。最高温度は1億5000万℃にも達し、太陽核の温度の約10倍にもなる。核融合炉は、コスト削減も大きな課題となっており、ITERは総工費は225億米ドル(約2.3兆円)。中国政府は、2006年から核融合炉の小型化に取り組んでいる。
核融合型の原子力発電は、既存の核分裂型の原子力発電に比べ、メルトダウンリスクが著しく低くできる見込み。
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