米SASB(米国サステナビリティ会計基準審議会)は12月17日、「Metals & Mining」と「Coal Operation」の2つのスタンダードの改訂案を発表し、パブリックコメント募集を開始した。締切は2021年3月17日。
今回の改訂では、双方のスタンダードに、尾鉱ダムに関するマネジメントの内容を盛り込む考え。尾鉱ダムに関しては、2019年にヴァーレ所有のブルマジーニョ尾鉱ダムが大規模な決壊事故を起こした。その後、機関投資家の関心が大きく高まり、8月には業界主導の国際基準も策定されている。SASBも2019年12月に資源採掘セクターのスタンダード策定プロジェクトを組成し、今回の改訂作業を開始していた。
【参考】【国際】ICMM、UNEP、PRI、尾鉱ダムの国際基準発表。ブラジル事故で問題意識高まる(2020年8月9日)
改訂の中では、双方の「Governance」の「Critical Incident Risk Management」カテゴリーの中に、「Tailings Storage Facilities Management」という形で規定される。具体的には、尾鉱ダムマネジメントのガバナンス体制やモニタリング体制と、緊急時の対応体制に関する記述が盛り込まれる。作業部会の原案では、より細かい項目を求めていたが、事業会社側から法域や規模に応じて柔軟な開示を求める声が多かったため、柔軟性の高い開示要求となった。
また、今回の改訂では、現状のスタンダードに盛り込まれている廃棄物に関する項目も改訂。廃石や有害物質に関する重量の開示が追加される。SASBは、追加項目に関し、GRIスタンダードの「GRI306 廃棄物」とも整合性があると言及している。
【参照ページ】Tailings Management Project Enters Public Comment Period
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